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今から2年前の2016年7月7日に、永六輔さんが亡くなられました。享年83歳。
永六輔さんは、昭和の時代に、数多くの名曲の作詞を手掛けた放送作家でタレントでした。
永六輔さんという人
永六輔 (本名 : 永 孝雄) さんは、1933年 (昭和8年) 4月10日、東京で生まれました。
ラジオ番組パーソナリティ、タレント、随筆家、放送作家、作詞家として、多彩な活動をされた方です。
作詞家としては、第1回日本レコード大賞を受賞した「黒い花びら」をはじめ、「こんにちは赤ちゃん」などのヒット曲を数多く世に出しました。
特に、1961年 (昭和36年) に坂本九さんが唄って大ヒットした「上を向いて歩こう」は、アメリカで『スキヤキ・ソング』とタイトルを変え、『ビルボード』のウィークリーチャート (Hot100) で3週連続1位に輝くという金字塔を打ち立てました。
「全国こども電話相談室」での回答
ラジオ番組のパーソナリティとして、その独特の語り口はつとに有名でした。そして、2年前に目に留めた記事に、電話相談を行うラジオ番組「全国こども電話相談室」に寄せられた、小学校6年生の女の子の質問に対する回答が掲載されていました。(こちらの記事参照)
それは、次のような内容です。
【小学校6年生の女の子からの質問】
「好きな人に告白する言葉を教えて」
【回答 (一部抜粋) 】
「好きです、嫌いです」という言葉ではなく、いい言葉を使っている子は好きになれる。「あの人ならこの言葉は好きだろうな」と思った言葉を何気なく使っているときの方がドキンとします。「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。
きれいな言葉を使いあうこと、きれいなことに感動すること、ふたりで声をそろえて感動してください。
永六輔さんは、『「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。』と、はっきり小学校6年生の女の子に言っています。なかなか言えない言葉だと思います。
この記事の筆者は、夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したのを思い出したといいます。
大切にしたい言葉たち
永六輔さんの言葉は、日本語の奥深さを感じさせてくれます。スピードが要求される現代では、単純明快な言葉が歓迎されるかもしれません。悠長なことは言っていられない雰囲気もあります。
でも、「言葉を噛みしめる」というように、味わいのある言葉の遣い方もあります。
永六輔さんと同じ83歳で死去した、俳優の高倉健さんが「座右の銘」とされていた次の言葉は、僕にとって自分の生きる方向を指し示してくれた言葉でした。
【 往く道は精進にして、忍びて終わり、悔いなし 】
辛いことがあっても、それは精進である。
自分を高めるために必要なことなのだ。
それを我慢したまま、たとえそれで終わる
ことがあっても、自分の向上にとっては
確実にためになっているのだから悔いはない。
他にも大切にしている言葉はたくさんあります。どれも含蓄のある言葉たちです。これからも、単純明快とは異なる、奥行きのある言葉たちを噛みしめていきたいと思っています。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2018.7.13記)