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さて、「今日の一言メモ」第147回です。
「戦を見て矢を矧ぐ」
「戦 (いくさ) を見て矢を矧 (は) ぐ」とは、戦いが始まってから矢を作り出すという意味で、何か事が起こってから慌てて対策を講じたり、準備したりする愚かさを表しています。
目前に必要が差し迫ってから行動したのでは、手遅れだという例えですね。
「矧ぐ」は、矢竹に羽をつけて矢を作ることだそうです。
「泥棒を捕らえて縄を綯う」
類義の言葉に「泥棒を捕らえて縄を綯 (な) う」があります。これは、泥棒を捕まえてから慌てて縄を準備しても、泥棒は逃げてしまうだろうという例えから、事が起きてから慌てて準備を始める愚を表しています。
というわけで、「用意周到」「備えあれば憂いなし」と言われているわけです。
例えば、東日本大震災以降、地震への備えの大切さは周知され、さまざまなアイテムが登場し市販もされています。ただ、そうした「物」を備えるだけでいいのでしょうか?
まず「心の備え」を整える
「一寸先は闇」「常在戦場」という言葉があります。どちらも気の緩みを戒める言葉として使われることが多いでしょう。
人間誰しも、自分はすぐには死なない、自分は自然災害に巻き込まれることはない、自分は大丈夫、と思いがちです。
濁流が迫ってきても、自分の家は大丈夫だろう、と根拠のない思い込みで避難が遅れるのは、最近の豪雨災害でもよく見られるケースでした。
普段の生活の中で、自分が万一の事態に陥ったらどうするか、というシミュレーションをする機会はないかもしれません。でも、大事なことだと思うのです。
テレビCMにもありますが、ガンに罹るのは、すでに万一のケースではなく、二人に一人と言われています。では、自分がガンを宣告されたらどうするか、具体的に考えたことがある人は、二人に一人もいるでしょうか?
確かに、事故に遭うこと、災害に巻き込まれること、ガンに罹ること、死ぬことなど考えたくないでしょう。
でも、いざという時に備えて「覚悟」を決め、冷静にその時どう行動すればいいかシミュレーションしておくことが必要だと思うのです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.7.2記)