(画像出典元はこちら)
さて、「今日の一言メモ」第215回です。
「恩を仇で返す」
「恩を仇 (あだ) で返す」とは、恩を受けたなら感謝こそすべきなのに、それどころか相手にとって害になるような行為をすることです。
「仇」とは、ひどい仕打ちや恨みのことを指します。また、「仇」を「かたき」と読むのは誤りになります。
「エルトゥールル号遭難事件」
ところで今日 9月16日は、今から129年前の明治23年 (1890年) に、トルコ国軍艦エルトゥールル号が訪日の帰途、和歌山県串本大島沖で遭難沈没し、乗組員の九割近く、587名が犠牲となった日です。
生存者はわずか69名でした。生存者は、この遭難に当たって大島村 (当時) 住民の献身的な救護活動の様子をトルコに伝えたそうです。
そして、このことから、この事件は日本とトルコの友好関係の起点として記憶されることになったのです。
当時の救援活動の内容
事件発生当時の救援活動について、Wikipediaには次のように記載されています。
それによると、まず樫野埼灯台下に流れ着いた生存者約10名が、崖を這い登って灯台にたどりつき、灯台守の応急手当て受けます。
通報を受けた大島村 (現在の串本町) 樫野の住民たちは、総出で救助と生存者の介抱に当たりました。
この時、台風で出漁できず、食料の蓄えもわずかだったにもかかわらず、住民は浴衣などの衣類、卵やサツマイモ、それに非常用のニワトリすら供出して、生存者たちの救護に努めました。
こうした献身的な救護活動により、樫野の寺、学校、灯台に収容された69名が救出され、生還することが出来たのです。
このことが、今でもトルコ国民には親日家が多い大きな理由になっています。過去に受けた恩を、今でも義理堅く感謝してくれる国民性には大いに感服します。まさしく「恩を仇で返す」ことの正反対のことですね。
かけた情けを仇で返されても、早く忘却の彼方へ追いやる
自分自身、「受けた恩は石に刻め、かけた情けは水に流せ」という言葉を座右の銘として、定期的にリマインドしています。
かけた情けに、知らず知らず見返りを求めてしまうことがありますが、それは厳に謹んで「情けは人の為ならず」と唱えて、いずれはめぐりめぐって自分に返ってくる、と信じることにしているのです。
そして、情けを仇で返されたことは滅多にありませんが、時にはありました。その瞬間は「この恩知らずめ!」と憤りを感じますが、やはり「かけた情けは水に流せ、水に流せ…」と心の中で唱えて忘却の彼方へ追いやるようにしています。
まあ、人間ができていないので難しいんですけどね…これからも修行を重ねます。
・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
・・・・・・・・・・・・
(2019.9.16記)