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さて、「今日の一言メモ」第599回です。
「弱肉強食」
「弱肉強食」とは、弱い者が強い者の餌食になることであり、また、弱い者を犠牲にすることで強い者が繁栄するという意味です。禽獣の世界では、強者が弱者の肉を食うことから、生存競争の厳しさを表しています。
中国唐代中期を代表する文人・士大夫である韓愈が、僧侶文暢の旅立ちを送った文章『韓愈・送浮屠文暢師序』に「弱きの肉は、強きの食なり」とあるのに基づくそうです。
「いい肉の日」
今日11月29日は「1 (い) 1 (い) 2 (に) 9 (く) 」の語呂合わせで、「いい肉の日」になっています。今日は日曜日なので、家族揃って焼肉パーティーやすき焼きパーティーというご家庭もあるかもしれません。
小さい頃を思い出すと、肉と言えば「豚の生姜焼き・ハンバーグ・鶏の腿焼き・すき焼き」でした。ステーキやしゃぶしゃぶなどは、ずっと後になってから初めて食したものです。
家族でお鍋を囲むすき焼きでは、肉を目がけて真っ先に箸を伸ばして取り合いになり、兄弟喧嘩になったものです。今となっては、懐かしい思い出ですが。
弱肉強食の自然界で、人類が生きながらえたのは知恵のなせるワザ
自然の中で人間が一人で暮らしていたら、肉食獣の餌食になるのは目に見えています。それが自然界で一番偉そうに生きながらえているのは、知恵を発達させ、道具を発明し発展させ、複数で分業し協調するというスタイルを確立してきたからでしょう。
日本では、第二次世界大戦敗戦後の焼け野原から驚異的な経済発展を遂げました。工場を中心とした製造業の隆盛により、一億総中流社会と言われるような世界を実現しました。
その後、バブル崩壊やリーマンショック、そして今年のコロナ禍などの変遷を経て、「格差」社会、「分断」社会などと呼ばれる世界が出現しました。
社会的弱者を「弱肉強食」の論理で切り捨ててはいけない
社会構造の変化によって、富は一部の富める者に集中するようになってしまいました。今年1月のダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)開催時に、なんと世界の富裕層の上位2100人の資産が、世界の総人口の6割にあたる46億人分の資産を上回っていると発表されました。(こちらの記事参照)
そして、現代の日本では、非正規労働者、シングルマザーなどへのシワ寄せにより経済的弱者、貧困層の出現という社会問題が発生しています。
そうした社会的弱者を救済するセーフティーネットの存在は欠かせないはずです。今でも制度的に存在していますが、十分なのでしょうか。
一部に集中している富を再分配する仕組みは、本来累進課税などの「税制度」が担うべきものですが、課税逃れがまかり通っています。そして、消費税は富める者も貧しい者も一律同じ税率です。軽減税率は根本的な問題解決にはなり得ないでしょう。
最低限度の生活を保障するため国民全員に同額の現金を配る制度「ベーシックインカム」が議論されていますが、果たして日本にマッチするのかどうかよく分かりません。
社会的弱者にならざるを得なかった人たちを、弱肉強食の論理で切り捨ててしまうような国にはなって欲しくありません。我々も、どうしたらよいのか、何ができるのか考える必要があると改めて思うのです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.11.29記)