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さて、「今日の一言メモ」第623回です。
「流星光底長蛇を逸す」
「流星光底長蛇を逸す」(りゅうせいこうていちょうだをいっす)とは、せっかくの機会、またとない機会を逃してしまうことの例えです。また、惜しいところで大敵を取り逃がしてしまうことの例えでもあります。
江戸時代の儒学者、史家頼山陽が、上杉謙信と武田信玄の川中島の合戦をうたった詩『不識庵の機山を撃つの図に題す』にある言葉です。
「遺恨なり十年一剣を磨き、流星光底長蛇を逸す(十年の苦心もむなしく、撃ち損なってしまった)」とあるのに基づくそうです。
「底」は「下」の意味で、「流星光底」は振り下ろす刀剣の閃光を流星に例えた言葉で、「長蛇」は「大きく長い蛇」の意味から転じて、「大きな獲物」や「またとない機会」を表しています。
「昭和改元の日」
今日12月25日は「昭和改元の日」です。今から94年前の1926年12月25日に、大正天皇が崩御され、元号が大正から昭和へ改められました。
昭和は、昭和天皇の在位期間である1926年 (昭和元年) 12月25日から、1989年 (昭和64年) 1月7日までを指し、歴代元号の中で最長です。ただ、元年と64年は、元号使用期間が共に7日間なので、実際は62年と14日となっています。
そして、平成へと時代は移りましたが、昨年 (2019年) の4月30日で上皇陛下は退位され、令和の時代を迎えました。平成の元号は、30年ちょっとでその幕を閉じたのです。
自由を奪われ、逸失した機会があったことを忘れない
1945年(昭和20年)に第二次世界大戦が終わり、その後昭和を経て迎えた平成の時代は戦争のない30年を過ごすことができました。でも、数度の大地震などの自然災害が日本を襲いました。
令和の時代になって、前代未聞の新型コロナウイルスによる感染病に世界中が震撼とし、それまで通用してきた行動様式を否応もなく変えざるを得なくなりました。
思うように行動できないもどかしさを覚えつつ、本来であれば得られたせっかくの機会、またとない機会をみすみす逃したことも多かったかもしれません。
でも、これまで経験したことのない時を過ごしたことで、改めて気づかされたことも多いのではないでしょうか。
それは水や空気のように当たり前の存在だった「自由」が、どんなに貴重でありがたいものだったか、という気づきかもしれません。
自由に人に会い、旅をして好きな場所に行ける自由、どんなに夜遅くても行きたいお店に行ける自由は、それを奪われて初めて分かる大切なものです。
いずれ、このコロナ禍は去り、また自由を取り戻せる日が必ず来ると信じていますが、そのときに「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ごとく自由を奪われた時期があったことを忘れてはいけないと思うのです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.12.25記)