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さて、「今日の一言メモ」第797回です。
「立つ鳥跡を濁さず」
「立つ鳥跡を濁さず」とは、立ち去る者は自分のいた場所を汚れたままにせず、見苦しくないよう綺麗に始末をしてからいくべき、という戒めです。また、引き際は美しくあるべき、という教えでもあります。
水鳥が飛び立ったあとの水辺は、濁ることなく清く澄んだままであることから、こう言われるようになりました。ここでの「立つ」は、「飛び立って去る」という意味です。
菅首相の自民党総裁任期満了
昨日の自民党総裁選で、新たな総裁に岸田文雄氏が選出されました。10月4日に招集される臨時国会で第100代総理大臣に就任する予定です。
菅義偉氏は、今日(9月30日)で自民党総裁としての任期は満了します。今日中には自民党の党三役である幹事長・政調会長・総務会長が決定し、明日から自民党新執行部としてスタートするわけです。
昨日の自民党総裁選会場では、菅首相はなんだか清々しい顔をしていたように思います。いよいよ「立つ鳥跡を濁さず」という心境だったのでしょうか。
「変革」より「安定」を選択した自民党
総裁候補として戦った河野太郎氏は、決選投票の結果、47票の党員票のうち38票を獲得したものの、派閥力学の働いた議員票の前に多勢に無勢で敗退しました。
そもそも最初の投票で、党員票が169票と全382票の44%しか得票できなかった時点で勝負ありだったのでしょう。以前、「古い自民党をぶっ壊す!」と言って総裁選に打って出て、戦前の予想を覆して勝利した小泉純一郎氏は党員票の圧倒的支持を得て、議員票を動かしたのが勝因と言われています。
地方でも河野氏の改革突破力は評価されつつも、圧倒的支持を得るまでには至らなかったようです。やはり自民党支持層は、現状を変えたくない層(主として既得権益層)の力が強いのでしょう。
「変革」より「安定」を選択したと言えそうですが、果たしてこの選択が吉と出るのか凶と出るのか、それは歴史が証明することになります。
このままでは、日本が良い方向に変わる期待は持てそうもありません。日本がこのまま後進国化し、人口減少に歯止めがかからず、衰退していくことを止めるには、どこかで痛みを伴う改革(規制緩和と構造改革)を受け入れないといけないと思うのですが……。
今回の自民党総裁選を経て、目前に迫った政権選択選挙である衆議院総選挙がどのような結果になるか注目したいと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2021.9.30記)