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さて、『今日の一言メモ』第865回です。
「天は自ら助くる者を助く」
「天は自ら助くる者を助く」とは、人に頼らず自分自身で努力する者には、天が助け、幸福をもたらすという意味です。
英語のことわざ「Heaven(God) helps those who help themselves.」の訳語になります。他人に頼らず、自立して努力する者には天の助けがあり、必ず幸福になるという意味になります。反対に、怠惰な者には決して幸福は訪れないということでもあります。
幸福になるために重要なこと
「幸福になる」って具体的にどういうことでしょう?「健康に恵まれ、長生きする」「経済的な心配なく一生過ごせる」「家族と仲良く一緒に過ごせる」・・・いろいろ思い浮かびます。
人によっては「金持ちになって、タワーマンションの最上階に住んで、最高級車を乗り回す」とか「功成り名を遂げて、勲章をもらう」なんてことが挙がるかもしれません。
以前、このブログでご紹介したことがあるのですが、ハーバード大学の研究グループが長期間に亘り研究したテーマがあります。そのテーマは「最終的に人が幸せになるには何が重要なのか」というものです。
その研究は、実に75年間という驚くべき長期に亘って行われたものでした。1938年に始まったこの研究では、724人の被験者に対して2年ごとに「人生で何が起こっているのか」を聞き取り調査し、75年間にわたって得た膨大なデータから一つの研究結果を導き出しています。
よい人間関係は人を健康にし、幸福にもする
被験者の724人は、75年間でさまざまな人生を過ごし、発表時点で生きているのは60人だったそうです。そして、幸せになるために最も重要なことは、富でも地位でも名声でもないという調査結果が得られました。
人にとって最も重要なのは、50代の時の人間関係で、この時の人間関係に満足している人は80代になった時に健康だったそうです。50代の時のコレステロールの値で、80代の時の健康状態を測ることはできませんが、人間関係の満足度なら予測できるとしています。
人間関係における3つの教訓
さらに、人間関係において重要な3つの教訓があるそうです。
1. 社会的なつながりは我々にとって重要で、孤独は人を殺す
2. 友人の数や関係の有無でなく、関係の『質』が大切
3. よい関係は人の体を守るだけではなく、脳をも守ってくれる
ハーバード大学研究グループの4代目リーダーが、この3つの教訓についてTEDで語っています。3つの教訓、それぞれの意味については、YouTubeにアップされているTEDの発表でご確認頂きたいのですが、「自分は幸せだ」と感じる人は、家族や友人、コミュニティーなどと良好な関係を持ってきた人だということです。
発表の最後は、「トム・ソーヤーの冒険」の作者であるマーク・トウェインの言葉で締め括られています。
人生は短く、他人と言い争い、謝罪し、
胸にわだかまりを抱え、最後の審判を待つような時間はない。
人生にあるのは人を愛する時間だけだ。
たった一瞬の人生は、そのためだけにある。
最 後 に
ハーバード大学の研究グループが、75年間という長期にわたり被験者達の人生を見つめ続け、そして纏めた研究結果には強い説得力があります。こんな長期に亘って、多くの被験者を観測し続けた研究は、他に類を見ないそうです。
健康を保ち、幸福になるために最も重要なことは、富や地位や名声を得ることではなく、良好な人間関係だという結果には、大きく頷かされました。決して驚くべき結果ではありません。
ただ、人間関係というのはとても複雑です。良好な関係を築くことも、またそれを維持することも不断の努力が必要です。信頼関係を築くには長い時間が必要ですが、それが崩れ去るのは一瞬です。
時として人間関係に悩み、その軋轢に耐えかねて、他人と距離を置いたり、引き籠もりになったりすることもあるでしょう。
でも、自分が健康を保ち、幸せになりたいと思うのなら、そうした人間関係の複雑さとしっかり向き合うことも必要です。
・・・というわけで、家族・友人・コミュニティメンバーが最大の財産だとしっかり認識して、その財産を大切に育んでいきたいと思う次第です。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.2.5記)