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さて、『今日の一言メモ』第954回です。
「色即是空、空即是色」
「色 即是 空(しき そくぜ くう)、空 即是 色(くう そくぜ しき)」とは、この世にあるすべてのものは因と縁によって存在しているだけで、その本質は空であるということ。また、その空がそのままこの世に存在するすべてのものの姿であるという意味です。
「色(しき)」とは、宇宙のすべての形ある物質のことを指し、「空(くう)」とは、実体がなく空虚であるという意味です。
また、「即是(そくぜ)」とは、二つのものが全く一体不二であることを指しています。すべてのものは、永劫不変の実体ではないという、仏教の根本教理で『般若心経』にある言葉だそうです。
用例としては、「この世は色即是空、空即是色だ。地位にしがみつく必要などないよ」などと使います。
地位や名誉、評価などは一時の仮の姿
人間生きていけば、さまざまな拘り(こだわり)を持つようになります。◯◯はこうでなきゃ、◯◯はこうしなきゃ・・・など知らず知らずのうちに自分なりのやり方や考え方を見つけて、そのうちそれに拘泥することになります。
そして、一定の地位や立場を獲得すると、それを失うまいと必死に執着してしまいます。でも、よく考えてみると、そうしたやり方や考え方、地位や立場に執着するのは、みずからの可能性を縛ることになるのではないでしょうか。
時が来たら拘りや執着をきっぱり捨てる
人生100年時代を迎えようとしている現在、就学→就職→定年→余生といった生き方を、エンジンが一段しかないロケットに例えるなら、これからはエンジンが多段階あるロケットにしていく必要があるでしょう。
一段ロケットの役目を終える時が来たなら、二段ロケットに点火し、その次は三段ロケットに……と推進スピードが途切れないよう次々と点火していく必要があると思います。
地球の重力を脱し成層圏を飛び出すために、一段ロケットは強大な推進力が求められます。二段ロケットは次の推進力を持ち、三段ロケット以降はさほど推進力が必要ありませんが微妙なコントロールが求められるでしょう。
人生も、若い時からミドルまでは体力・馬力が必要な場面が多いですが、シニア以降になれば、人生の機微を弁えた知恵と経験を活かした生き方が求められます。
その過程では、自分が手にしてきた地位や立場、名誉や評価を、自らの手で潔く一度捨て去り、次なるステージに向かって進む勇気が必要になる時が来ると思うのです。
その時が来た時に、それまでの拘りや執着をきっぱり捨てる勇気が持てるかどうかで、その人の価値が決まりそうです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.8.4記)