人が書物を紐解き、内面に広がる思いに思索を深め、ふと他の人がどう感じるか聞きたくなった時、その問いかけに富田がどんな短文で応えたのか、シリーズでご紹介している今日は23回目。
問いかけの内容は、社会人版キムゼミ1期生が「書評ワーク」という活動でアップした投稿。今日の問いかけは「皆さんの『のめり込めるもの』って何ですか?」等です。
ゼミ生の投稿
H.Nさんの【書評ワーク】
書名: 『ロンドン』
≪議論したい内容≫
ロンドンに暮らしたいくつかの家族の2000 年の歴史的浮沈を描いた小説。
・・・・・・・(中略)・・・・・・・
私にとって人生観に最も影響 を与えた本の 一つです。人生論 を説いた本ではあ りませんが、スケールや奥深さから思わず考えてしまい ました。ゼミ の講義の中でもありました「人生に意味をつけ加 えていく」「死からの逆算で今を考えてみる」「人生の主人公は自分」 といった考え方にも通じ、リアリティと納得感を与えてくれた本だからです。
・・・・・・・(中略)・・・・・・・
皆さんの「のめり込めるもの」って何ですか?
仕事や趣味だけでなく日常の小さなことまで。もしかしたら、それが人生や生活に大きな影響を与え、またのめり込む対象そのものより、その先にあるもの(真実)がきっと大切なのではないかと感じています。
でも、キリがなくなるので先ずは対象がありましたら・・。自分が見落としているものや価値に気づけたらいいなぁと思いお聞きする次第です。
富田のコメント
>> 皆さんの「のめり込めるもの」って何ですか?
「脇目も振らず」「寝食を忘れて」没頭できるもの、という意味では若い時はエンタテインメント系のサスペンス小説等を懐かしく思い出します。トム・クランシーの「ジャック・ライアン」シリーズや、クライブ・カッスラーの「ダーク・ピット」シリーズ等は夢中になって読み耽ったものです。
あと、やはり若い頃パソコンが登場してからは、それまでの集計用紙と電卓からの膨大な計算業務から開放されるのではないか、という期待から慣れないプログラミングを学び没頭しました。
そして、何度もテストを繰り返し不具合をデバッグして、やっと完成してプリンターから膨大な計算表がプリントされた時は誰もいない深夜のオフィスで「やったぁ〜!」と雄叫びをあげ、拳を振り上げ、そこらじゅうを駆け回り興奮の坩堝状態で喜びを表していたことを今でも鮮明に思い出します。
中年になってから、以前勤務していた会社の基幹システム刷新プロジェクトで、営業系のシステムを取り纏めるプロジェクトリーダーを務めていた時は、スケジュール通りのリリースを目指してプライベートを無にしてのめり込んでいましたね。奥さんは「この人は死んでしまうのではないか…」と本気で心配していたようですが…(^^;
>> もしかしたら、それが人生や生活に大きな影響を与え、またのめり込む対象そのものより、その先にあるもの(真実)がきっと大切なのではないかと感じています。
改めて「のめり込んだ先にあるもの(真実)」とは何か、を考えてみると、僕自身にとってはそれが例えエンタテインメント系の小説読破であっても「小さな成功体験」であり、更に仕事でのめり込んだものはもう少し「大きな成功体験」だったと言えそうです。そうした成功体験が積もり積もって、その後の自分自身の生き様に繋がり、それなりの自信の根拠になり、今に至っているように思います。
読んでいる本が面白すぎて、電車が終点に到着していることに気付かず、ハッと回りを見たら誰もいない車両が既に車庫の中に入っていて、車掌さんに怒られたのも今はいい思い出です。(^^;
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さて、皆さんならどのようにコメントしますか?
そして、次回の「書評ワーク」の対象図書は以下になります。ではまた!
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(2013.12.2記)