Challenge Next Stage 〜目指せ!出版への道〜

103 「自分史」で紐解く自らの成り立ち (その2) 〜徒然なるままに(52)〜

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前回は、全くPCやExcelの影も形もない時代に、大型プログラム電卓を使って、徹夜仕事だったものを僅か数十秒で終わらせることができたことが、その後の富田の会社生活を変える原点になったとご紹介しました。

今回は、その後のパソコン誕生期に経験した出来事が、PCひいてはIT活用への決定的な要因になったことをアップしたいと思います。

関西で迎えたパソコン誕生期

入社して5年経過した1983年 (注)、東京本店営業から大阪支店営業に転勤になりました。富田が27才の時でした。

(注) この年は、4月に東京ディズニーランドが開園し、9月に大韓航空機撃墜事件が起こった年です。

東京生まれの東京育ちの人間にとって初めて経験する浪速の世界は戸惑うことだらけでした。そうした環境で商慣習に慣れるのと時を同じくして、パソコンが誕生します。そして、それが当時の仕事に大きな成果をもたらすことになるのです!

SORD社のPIPSパソコン登場

それではちょっと長いですが、「自分史」から引用してみましょう。

仕事の面では、コンピュータを活用して多大な業績を挙げたことがある。西川きよし似の得意先の人は、神戸を本社とする全国区の飲料メーカーの方で、おびただしい数の自動販売機を全国に展開し、それを巡って多くのリース会社が分捕り合戦をしていたのである。

自動販売機は1台では数十万円であるが、年間何万台も展開するのであるからそれはそれは大変な金額になる。リース契約では1ヶ月分の設置分を纏めて1契約とするのであるが、1台1台に保険をかける関係上、全台数分の明細を添付し設置場所住所の他、自販機を特定するための型式・機番を記載していたのである。明細はメーカーから貰った設置報告書を元にワープロで作成していた。

自動販売機は屋外に設置されることが多く、現金が投入されるので、中のお金目当てに頻繁に壊されていた。そのたびに保険金請求手続きをするのだが、その自販機がどの契約に該当するのか探すのも手作業で膨大な手間が掛かっていた。

そこで登場したのが国内メーカーのSORD社 (後に東芝に吸収される) が独自に開発したパソコンである。PIPSという独自OSを搭載し、セル単位ではなく行列単位の表計算を実現していた。最初は8インチというLPレコード (死語? (^^; ) サイズのフロッピーディスクで64Kバイト位の容量しかなかったのではないか。

会社で試験的に導入したSORDパソコンを使わせて貰い、当時契約していた自動販売機の膨大な明細を全て入力し、新規契約の物件明細を作成すると共に、データベースとして活用、保険事故が起こる度に検索し飛躍的に効率が高まることとなった。

次第に8インチフロッピーが5インチとなり、容量も増えてきたものの、とても1枚のフロッピーに収まる台数ではなくなり、またまた残業して複数のフロッピーをとっかえひっかえして処理する日々が続くことになった。

思いあまって本店の情報システム部門に相談。これをホストコンピュータでデータベース化すれば、客先に自販機データの一元管理を提案できる。うまくいけば自販機リース契約を一気に独占できるかもしれない。そうしたら利益が数億円単位で上がる。等と、本当は自分が楽になりたい一心なのに、さも会社のためになるような法螺を吹いたら本当に実現してしまうことに。

一気にデータベース化が進んだので、法螺を吹いてしまった手前、客先を口説かねばならない。そこで、都道府県別展開台数や支社別管理状況等複数のフォームを連続帳票用に作成し、そのプリントアウトを客先に提示。当社に全てを任せてくれれば御社内部の管理もすご〜く楽になりますよ、等と吹聴する。

それから数日後・・・客先から今後のリース契約は全てそちらに任せる、との連絡が!!
なんと独占契約がとれてしまう。それからは仕事は楽になるわ、営業目標は達成できるわ、(ボーナスはちょっと増えただけだが・・・) で、結局この会社の契約だけで、自分の生涯収入以上の額の利益は十分に出たと思う。

・・・というわけで「とにかく楽になりたい!」一心から取り組んだことが思わぬ成果に繋がったのです。これが自分を更にパソコン活用に向かわせる決定的な出来事になりました。

・・・・・・・・・・・・・・
と、ここまでご紹介したので、この後登場するMS-DOSパソコン以降の歴史物語も、次回以降アップすることにします。
ではまた!(^_^)

 
 

・・・・・・・・・・・・・・
(2014.1.9記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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