さて前回から、立花岳志さん(以下たちさん) の新刊「サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法」を読み終わって感じたことをご紹介しています。
今日は第2章について書いてみます。
組織の集団主義とは一線を画す
第2章は「他人に人生を支配されない」です。
この章では、日本人が農耕民族として暮らしてきた頃からの名残りである「みんなと一緒に」「出る杭は打たれる」といった文化について、まず書かれています。
古くからの時代、天候に左右されやすい農業が生活手段の中心だった頃は、皆で助け合うという互助の精神は大変重要であったと思います。それが、生活の知恵だったのです。
それが、現代の会社生活においても、日本の場合は集団主義が色濃く残っていると感じます。富田も33年間の会社生活を送ってきましたが、ダラダラ残業や愚痴を言い合う飲み会に付き合った機会は枚挙にいとまがありません。
今思えば、なんという時間の無駄であったのだろうと反省しきりです。
それでも50歳前後からは、歓迎会や送別会、忘年会といった公式行事を除いて、一切社内のお付き合いを断つことにしました。
そして「残業しない代わりに前業します。」と宣言して、定時にはベルさっさで退社しました。その代わり、朝は7時半には出社して、誰もいないオフィスで電話も鳴らず、急な打合せもなく、とても効率的に始業時間まで仕事をすることができました。
7時半から9時までの朝の1時間半は、夜の3時間にも4時間にも匹敵する生産性の高さだったと思います。
定時に帰ることで、自宅で奥さんとゆっくり夕食が摂れますし、好きな本も沢山読めるようになりました。もっと早くこうすれば良かったと思ったものです。
まったく社内の飲み会に付き合わなくなって、それはそれで最初は何か言われたようですが、そのうちそういう人なのね、ということで定着しました。
仕事は、他の人より短時間でも人一倍していましたから、誰にも後ろ指は指させませんでした。
そうした経験があるため、この部分のたちさんの記述には何度も大きく頷いたのです。
人のお役に立つことをビジネスにする
そして、第2章の後段に向けて、21世紀になって人々が欲するようになったものは、社会をより良くすることに貢献することだとたちさんは書きます。
戦後の荒廃から立ち直ることがまず目的となった20世紀後半、高度成長期を迎えて「テレビ・冷蔵庫・洗濯機」が三種の神器と呼ばれ、「マイカー・マイホーム」といった高額な買い物をステータス・シンボルとして、ローンを組んでも手に入れたいとする時代だったのです。
それが、21世紀になり、自由な生き方をする上で多額のローンを抱えてのマイホームは、ただの手枷足枷になるかもしれません。
確かに頷けます。富田もいつでも夫婦二人で、思い立った時に引越しできるように、結婚以来ずっと賃貸マンションに住んでいます。そして、極力物を持たない生活をしようと心掛けています。
では、そうした物質至上主義が終焉した後に訪れたのはなんでしょうか?
たちさんは、今の時代の大きな特徴として、「自分らしく生きたい」「自分をより良くしたい」「自分に投資したい」という人が圧倒的に増えているのではないか、と書かれています。
少し話は変わりますが、たまたま富田はたちさんと時を同じくして会社を辞めました。たちさんとは年齢は違いますが、ある意味同期だと勝手に思っています。
フリーランスとして独立するにあたって、自分に何ができるのか、と自問自答しました。そして、今自分が自分らしく生きる道として、次のミッションを掲げました。
「経営に苦労している中小企業の経営者の方のお役に立つこと」、これを自分の使命と定めて、ITコンサルタントの道に進んだのです。
「人と人の繋がりとテクノロジーを活用して、相乗効果を最大化したい」という思いを理念として、個人オフィス名を「Consulting Office SMART ( = Synergy MAximization through Relationship & Technology) 」と名付けました。
今も、ITコンサルに留まらず、「自分をつくる学校」のコミュニティを通じて知り合った若い仲間達に協力して貰って、新たなプロジェクトを推進しています。
それは、主にシニア世代を対象にした「人生の総仕上げをポジティブ&アクティブにベスト・クロージング!」と掲げたプロジェクトです。
多くの方々がこれからの人生を大いに楽しみ、悔いなく人生を全うするために、各分野のスペシャリストを結集し、少しでもお役に立てるようなサービスメニューを整え、「終活」を身近に感じて貰うと共に、それをビジネスにしていきたいと考えています。
たちさんの新刊第2章を読んで、まさしく「我が意を得たり」という感を強くしたのでした。
そして、先日の金沢開催のセミナーの最後に、たちさんは大切なキーワードとして「誠実さ」を挙げました。この新刊でも、21世紀のビジネスのキーワードは「誠実さ」であると書かれています。
既に物質的に満足している人達は、「自分をよりよくしたい」「自分の価値にお金と時間を使いたい」と願っているのだ、と指摘します。
これからの企業経営は、「いくら儲けているか」ではなく、「いかに社会の役に立つことをビジネスに融合させることができるか」によって評価される時代になってきたのでしょう。
それを念頭に置きつつ、これからのビジネスに取り組んでいきたいと考えています。
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さて、今日はここまでにします。次回は、この新刊第3章を読んで感じたことについて書きたいと思います。
ではまた!(^_^)
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(2014.3.26記)