「今日は何の日?」シリーズ・ライト版です。
さて、今日は「バカヤローの日」だそうです。
「バカヤローの日」の由来
今から62年前の1953年 (昭和28年) 2月28日に、当時の吉田茂首相が国会で「バカヤロー」と発言したことから、この日が「バカヤローの日」となりました。
この日、衆議院予算委員会の席で西村栄一議員の質問に対して、吉田茂首相が呟いたこの一言が、後の大騒動を引き起こします。
このバカヤロー発言があった、衆議院予算委員会議事録が次の画像です。発言部分が「―」で伏字になっています。
これがもとで内閣不信任案が提出・可決され、3月14日に衆議院が解散する憂き目となります。
次の画像は、吉田内閣不信任決議可決の瞬間です。
そこで、この解散は「バカヤロー解散」と呼ばれ、後世に語り継がれることになりました。
「バカヤローの日」に思うこと
一国の首相が思わず呟いた本音の一言を、たまたまマイクが拾ってしまった、というのが真相のようですが、それで大きく政局が動くのですから恐いものです。
政治家の失言には枚挙に暇がありませんが、同じ失言でもレベルが異なると思います。
一時物議を醸したセクハラ野次などという失言は、故意にされたこともあり最低のレベルと思いますが、当時の吉田首相の失言はどうでしょう?
Wikipediaにこの失言の前後のやり取りが要約されていましたので、この記事の末尾に引用しておきます。
一国の首相としてではなく、一人の人間としてつい本音を漏らしてしまったことは、是々非々で言えば非ですが、つい人間臭さを感じてしまいます。
バカヤロー発言」は別として、どうも国会論戦というのは、何か言葉尻をとらえて、本筋と違うところで議論が堂々巡りをしていることが多い気がします。
このへんも政治に対して白けた感情を抱かせる要因だと思います。
・・・というわけで、政治に真摯に向き合い、本筋の議論を正々堂々と進めて欲しいものだと思う2月最終日の朝なのでした。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2015.2.28記)
【問題となった、吉田と西村の質疑応答の内容】(出典 : Wikipedia)
西村「総理大臣が過日の施政演説で述べられました国際情勢は楽観すべきであるという根拠は一体どこにお求めになりましたか」
吉田「私は国際情勢は楽観すべしと述べたのではなくして、戦争の危険が遠ざかりつつあるということをイギリスの総理大臣、あるいはアイゼンハウアー大統領自身も言われたと思いますが、英米の首脳者が言われておるから、私もそう信じたのであります。(以下略)」
西村「私は日本国総理大臣に国際情勢の見通しを承っておる。イギリス総理大臣の翻訳を承っておるのではない。(中略)イギリスの総理大臣の楽観論あるいは外国の総理大臣の楽観論ではなしに、(中略)日本の総理大臣に日本国民は問わんとしておるのであります。(中略)やはり日本の総理大臣としての国際情勢の見通しとその対策をお述べになることが当然ではないか、こう思うのであります」
吉田「只今の私の答弁は、日本の総理大臣として御答弁致したのであります。私は確信するのであります」
西村「総理大臣は興奮しない方がよろしい。別に興奮する必要はないじゃないか」
吉田「無礼なことを言うな!」
西村「何が無礼だ!」
吉田「無礼じゃないか!」
西村「質問しているのに何が無礼だ。君の言うことが無礼だ。(中略)翻訳した言葉を述べずに、日本の総理大臣として答弁しなさいということが何が無礼だ! 答弁できないのか、君は……」
吉田「ばかやろう……」(自席に戻る際ボソッと呟くように吐き捨てる)
西村「何がバカヤローだ! バカヤローとは何事だ!! これを取り消さない限りは、私はお聞きしない。(中略)取り消しなさい。私はきょうは静かに言説を聞いている。何を私の言うことに興奮する必要がある」
吉田「……私の言葉は不穏当でありましたから、はっきり取り消します」
西村「年七十過ぎて、一国の総理大臣たるものが取り消された上からは、私は追究しません。(以下略)」