さて、昨日は新規事業のネーミングに工夫を凝らす佐賀県の取り組みについてご紹介しました。
今日は、学校と自治体による全国初の取り組みについて見てみましょう。(こちらの記事参照)
連携協定の内容
食のプロを育成する日本最大の“食”の教育機関、辻調理師専門学校と鹿児島県長島町が、お互いがこれまで進めてきた地方創生への取り組みを相互に尊重して、学校と全国の自治体としては、全国で初めて地方創生に関する連携協定を締結しました。
連携協定の主な内容は次の通りです。
- Iターン、Uターンの推進、モデル化に関すること
- 食による地域活性化の促進、モデル化に関すること
- 食×農水産×観光の人材育成に関すること
- その他本協定の目的に沿うこと
人材の交流からスタート
まず、辻調理師専門学校出身者を含むシェフを長島町に招待するそうです。
そして、生産者との交流などを通じて、養殖ブリ「鰤王」やジャガイモ、かんきつ類など同町特産品の知名度向上に繋げたいとしています。
3月に計3回 (6日間) 受け入れて、その後も継続して行うとのこと。
長島町からの情報発信
長島町は、なんと世界一の鰤 (ぶり) の町だそうです。養殖は、稚魚の漁から始まり大変な手間暇をかけているのだとか。
そうした背景などは、地方から都会へ伝わっていません。スーパーで並ぶときには、ワンパックいくら。ちょっと見栄えが悪いとポイされるだけ。
この状態に危機感を持った長島町は、「かっこいい長島」をしっかり届けるべく「長島大陸食べる通信」を2015年12月に創刊しました。
長島大陸食べる通信
プロのデザイナーさん、写真家さん、主婦、シェフ、信用金庫の支店長さん、商工会の指導員さん・・・そして漁師さん、農家さん。長島の力を結集して制作しているそうです。
辻調理師専門学校の新たな取り組み
辻調理師専門学校は、料理業界の東大。1学年2,500名以上の学生が学び、各界で卒業生が活躍しています。
辻調理師専門学校の新たな挑戦が、「安心・安全・美味しい」の先にあるものだとか。
更なる価値を提供するために、シェフ自ら生産現場に足を運び、生産者の思いやドラマを知り、それを料理で表現することを目指すとしています。
そこで、農業・畜産業・水産業の全てに強みがあり、また、「長島大陸食べる通信」等を通じて、生産過程や生産者の魅力をしっかり伝えようとする「長島大陸」をモデルケースとして選び、連携協定書を締結したのです。
ま と め
これまでの長島町の取り組み、そして、これから辻調理師専門学校が実現を目指す料理の姿、それがクロスして今回の連携協定書の締結に至りました。
新たな人材交流、アイデアのシナジー、それが長島町に住む人自身では気づくことのできなかった良さや課題を浮かび上がらせるのではないでしょうか。
それが、農水産物のブランド化に結びついていく可能性は高いと思います。
そして、ブランド化が長島町に観光客を呼び込むことに一役買うことは間違いありません。
というわけで、鹿児島県長島町の今後に注目です!
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.3.9記)