Challenge Next Stage 〜目指せ!出版への道〜

あれから5年…震災被害は現在進行形で今も増幅している

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さて、あの東日本大震災、大津波、福島第一原発事故から満5年が経ちました。

5年も経ったのではなく、5年しか経っていない

あの震災で愛する家族を失った方が、絞り出すように言っていた言葉です。

「周りで『あれから5年も経ったのか…』という言葉を聞くと凄く違和感を感じる。私にとっては『まだ5年しか経っていない』のだから…」

人間は、悲しいことつらいことがあっても「日にち薬」という時の流れで癒やされます。

でも、あの日の出来事は、5年ごときの時の流れでは到底癒やされない悲しみなのでしょう。

逆に、周りにとっては記憶の「風化」に結びついてしまっているのでは、と我と我が身を振り返って反省しています。

風に乗って愛する人に声を届ける「風の電話」

ふと目を向けたテレビの特集番組で見ました。

岩手県大槌町の海近くの高台に、ちょっと変わった電話ボックスがポツンとあります。

中には、ダイヤル式の黒電話が一つ。

そこはある個人の方の家が建つ敷地内です。その方は、以前亡くなった いとこに話しかけたくて、その電話ボックスを作ったのだとか。

電話は繋がりません。それは「風の電話」といって、話したことは風に乗って相手に届くと言われています。

最後にせめて一言、話したかった人がたくさんいるはずだ、との思いで震災後、その電話ボックスを誰もが使えるように開放しました。

今も愛する人を亡くした人たちが、連日のように訪れているそうです。

そして、繋がっていない電話に向かって、普段は胸の内にしまっている思いを話します。中には、受話器を握りしめたまま何も話せない人もいます。

どんな思いで、語りかけているのでしょうか?

その特集番組を見ていて、胸が締め付けられるようでした。

現在も増幅している震災被害

報道によれば、震災と福島第一原発による全国の避難者は、なお 17万4千人に上っています。

いまだに行方不明の方は 2,561人に上り、自殺などの震災関連死は増え続けています。

津波被害の激しかった岩手、宮城、福島の3県では、避難生活での体調悪化などで亡くなった方は、3月10日時点で3,410人にまで増え、死者、行方不明者を合わせた震災の犠牲者数は2万1,865人になってしまいました。

原発の汚染水対策や廃棄物処理などは、解決の糸口すら見えていない状況です。

語り継がれるべき震災は、現在進行形で増幅しているのです。

何気ない日常が宝物

俵万智さんの歌集「サラダ記念日」には、次の歌が詠まれています。

「寒いね」と 話しかければ「寒いね」と 答える人のいる あたたかさ

昨日までの何気ない日常を、地震・津波・原発事故は根こそぎ奪っていってしまいました。

昨日まで話しかければニッコリ微笑んで答えてくれたあの人を、一瞬で奪っていってしまいました。

それを考えれば、元気に毎日繰り返すことのできる日常を持てているのなら、十分感謝に値すると思います。それが宝物なのですから。

ある意味、人生観・死生観を一変させるような出来事が起きたあの日。

その記憶を風化させることなく、これからも過ごしていきたいと思う5年目のこの日なのでした。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.3.11記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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Consulting Office SMART代表/富田邦明が人となりをお伝えするために運営しています。

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