先日 (3月15日) 、石破茂地方創生担当大臣が、地域再生法改正案の提案理由説明で誤った法案文書を読み上げるという前代未聞の出来事が起きました。
その翌日、石破大臣は「責任は全て大臣たる私が負うべきものだ。深くおわびを申し上げたい」と陳謝しましたが、野党から辞任要求を突き付けられるという事態になってしまいました。
国会での読み間違い、言い間違いは日常茶飯事だが…
国会答弁で、一部の質問の答弁を飛ばしてしまう、いわゆる「答弁漏れ」や、漢字の読み間違いはあり得る話です。
数年前に、麻生総理 (当時) が未曾有を「みぞうゆう」と誤って読んだのが話題になった記憶があります。
しかし、今回のように、これから審議しようという法案の説明を、担当大臣が全く別物で行ってしまうというのは前代未聞の出来事のようです。
野党の対応も白けた気分に…
そもそも大臣発言の原稿は、役所の何重ものチェックを経ているはずですが、その過程でチェックがなされなかったことが原因のようです。
とはいえ、石破大臣も殆ど最後まで説明した時に、内閣府の陪席者から間違っている旨を指摘されるまで気づかなかった、というのはお粗末ですが…
それにしても、野党がこの敵失に乗じて、まるで鬼の首でもとったように「国民をバカにしている」「緩みでなくおごり」「辞任するべき」と騒ぎ立てるのも、なんだか白けた気分になります。僕だけでしょうか…
特命担当大臣という立場
ところで、石破大臣は内閣府特命担当大臣という立場です。
こちらの記事では、次のような説明があります。
石破大臣は担当大臣であり、責任を取って当然ということになりそうだが、実はそう単純な話ではない。
石破大臣は、あくまでも内閣府特命担当大臣であり、内閣府の主任の大臣でもなければ権限を分掌されているわけではないので、権限どころか人事権もない。
内閣府の主任の大臣は内閣総理大臣である。したがって、仮に大臣の責任を問うということになれば、安倍総理の責任を問うべきということになるが、さすがにこの件で総理が辞任というところまでは行き着くまい。
強いて言えば、総理から石破大臣に口頭で注意するとともに、本件担当部局や官房総務課の関係者に対する注意、場合によっては配置転換を行うといったところだろうか。
ということで、野党が石破大臣の辞任を要求することはお門違いということになりそうです。上記の記事には、野党はこうした制度的背景をしっかりと踏まえる必要がある、と書かれています。
最後に
いずれにしても、なんともみっともない事態を出来してしてしまった石破大臣、今後の対応はどうするのでしょうか?
また、先日の参議院予算委員会で、林経済産業大臣が使用済み核燃料の再処理など原子力政策を巡る質疑で複数回答弁できず、審議が中断したことについて、みずから勉強不足だと認めてしまいました。
就任から半年が経過しているのに、自ら「勉強不足」と国会の場で認めるとは、これも見ている方が白けてしまいます。
ということで、またもや環境が厳しくなる中、安倍内閣にはふんどしを締め直して (死語?)、一層奮励努力して欲しいものです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.3.19記)