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地方創生・・・参議院選挙も終わり、今後の地方分権はどうなるのか…これからは自治体を格付けするのも一案では?

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アイキャッチ画像(画像出典元はこちら)

さて、選挙権 (投票権) 年齢の引き下げや、異例とも思える野党共闘などにより、いつもより注目を集めた参議院選挙が終わりました。

そこで今日は、選挙結果がどうであれ、例え、これから先政権交代が起ころうと、日本の将来にとって重要な地方創生、そして地方分権について考えてみたいと思います。

今は「静かなる有事」が進行中

安倍政権が、地方創生を看板政策に掲げたのが2014年、それから2年になります。

その取り組み手法や国と地方の関係について、議論が進まぬまま参議院選挙を迎えてしまいました。

昨年 (2015年) 8月4日に開催された「地方創生特別セミナー」で、石破茂地方創生担当大臣は次のように発言しました。

東京一極集中と地方の人口減少が加速している現状を、私は「静かなる有事」だと認識しています。現在、約1億2700万人を擁する我が国の人口は、このまま何もしなければ2100年に約5,200万人、2500年に約44万人にまで減るという推計があります。

これまでの地方活性化政策と今回の地方創生との違いは、この政策が失敗すると国の将来はない、という強い危機感を抱きながら取り組んでいることにあるのです。

補助金・交付金頼みの地方自治体は自立できるのか?

1999年の地方自治法改正で、国と地方の関係は「上下・主従」から「対等・協力」に転換したといいます。

実態はどうでしょうか?

これまでの地方自治体の取り組みを見てみると、国からの交付金や補助金がなくては何もできない、という姿も見えてきます。

また、地方創生加速化交付金や地方創生推進交付金を受けるには、自治体からの申請に対して国の審査が必要ということで、ちっとも地方の自主性が尊重されていないという議論もあります。

国は国で、過去バブル時代に竹下政権が行った「ふるさと創生事業」で、各市区町村に一律1億円を交付した時の苦い経験があるように思います。

当時、その使い道に国は関与せず、各市区町村に一任されました。その結果、ふるさと資料館のような箱物が乱立し、その後の地域収益に貢献するどころか、多大な維持管理費を後世に負担させることになってしまった例が多かったのです。

中には、財政破綻した夕張市の「 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」開催のように、町おこしに役立ったものもありましたが。

そうした過去の経験から、国が交付金の使途である事業内容について、その重要業績指標 (KPI) などを自治体に設定させ、それが妥当であるかチェックするようにしたのも肯けます。

そうした煩わしさから、地方自治体から「使いにくい制度」「もっと自由に使わせてくれ」「知恵を絞れと言われても予算がなければ」という声が上がるのでしょう。

国と地方が対等の関係になるには、もっとお互いの信頼関係が醸成されないと無理だと感じます。

山間の小村にみる独自の工夫

長野県下伊那郡に下條村という山間の小村があります。

下條村では、20年以上前から、道路整備を村民自身が行う建設資材支給事業などの行財政改革に取り組み、村の預貯金に当たる基金を増やしてきました。(こちらのサイト参照)

下條村 copy

また、少子化対策にいち早く取り組み、成果を出している自治体として知られています。

1997年度から「子供がいる/結婚の予定がある」「村行事/消防団への参加」などの入居条件を課した、低家賃の村営「若者定住促進住宅」を整備しました。

その結果、出生率が全国平均を上回り、2004年度の出生率は2.59、2014年度の出生率は2.03となっています。

2012年度からは戸建ての建設費の10%を補助する事業も開始しており、また、高校生以下の医療費を無料としています。

山間の小村が、独自の工夫で人口増に成功したとあって、全国から視察に訪れる自治体関係者らが絶えないとか。

最後に

これから地方創生を進めるには、真に地方が中心的役割を果たす地方分権が必要です。

そのためには、財源と権限が中央から地方に移譲される必要があります。しかし、もし今の状態で、一気に財源と権限が地方に移譲されたら、どうなるのでしょうか?

知恵を絞り、その財源と権限を最大限活かせる自治体がある一方で、その財源と権限の使い方を誤り、破綻してしまう自治体も出てくるのではないでしょうか?

一方で、下條村のようにさまざまな工夫ができて、結果を出せるのは何故でしょうか?

結局は「人」だと思います。そうした工夫ができた人、その工夫を実際に前に進めた人 (決裁した人) 、さまざまな人が集まってできたことでしょう。

交付金・補助金頼みでなければ何もできない、という旧弊な価値観に凝り固まった人しかいない自治体、そんな状態を打ち破ろうと奮闘する人を押さえつけてダメにしてしまう人しかいない自治体には、到底委譲できないのではないですか。

少々乱暴な意見であることは承知していますが、各地方自治体の「自治力」を評価して格付けし、「AAA」に格付けされれば財源と権限を委譲するというのはどうでしょう?

そして、数年毎にその格付けを見直す運用とし、優良な自治体から徐々に地方分権を進めていくのも一法かと。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.7.11記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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