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さて、1997年12月17日に、日本で介護保険法が公布されてから、今日でちょうど19年になります。介護保険法は、2000年4月1日から施行されました。
介護保険とは?
誰しもいつかは死を迎えます。これは、万人に共通したことで例外はありません。
そして高齢化が進む中で、多くの方がいずれお世話になるのが介護保険です。
日本では、昔は大家族を中心に家族で高齢者を支えるのが当たり前でした。それが、核家族化が進み、家族に頼れないお年寄りが増え、公的年金や医療保険とは別に、社会全体で高齢者を支える仕組みが必要になったのです。
介護保険制度については、厚生労働省老健局総務課が纏めた「公的介護保険制度の現状と今後の役割 (平成27年度) 」が参考になります。
介護保険のお世話になるには、要介護認定手続きを経て、要支援1〜2・要介護1〜5という要介護度の認定を受けなければいけません。
下のグラフは、2000年(平成12年)〜2015年(平成27年)の15年間の「要介護度別認定者数の推移」について示したものです。要介護度が低いほど、この15年間で増え方が顕著であることが分かります。
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介護による離職・転職者の増加
内閣府の纏めた「平成28年度版 高齢社会白書 (全体版) 」によると、家族の介護や看護を理由とした離職・転職者数は、2011年 (平成23年) 10月から2012年 (同24年) 9月の1年間で101,100人でした。とりわけ、女性の離職・転職者数が81,200人と多く、全体の80.3%を占めています。
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介護を機に離職した人に、その理由を聞いたところ、6割以上の人が「仕事と手助け・介護の両立が難しい職場だったため」と答えています。
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また、離職時の就業継続の意向を聞いたところ、5割以上の人が「続けたかった」と答えています。
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優秀な人材を介護を理由に失わないため、テレワークの推進を
以前、テレワークの先進組織として、佐賀県庁が「第16回テレワーク推進賞」の最上位の賞である「会長賞」を受賞したことを、当ブログでご紹介しました、(こちらの記事参照)
佐賀県の職員年齢分布は、介護世代である50代の職員が最も多く、また30代以下の子育て世代の職員は、約半数が女性で占められているとのことです。
一般的に地方は高齢化率が高く、公務員であっても介護離職につながるケースが多くなっています。
また、女性の社会進出が進むなかで、子育て世代の職員にも、安心して働ける環境を整える必要もありました。
前知事の古川康氏が他県に勤務していた際、優秀な女性職員が仕事と育児の両立が困難となり退職してしまったことがあって、そのような職場環境に強い疑問を抱いたそうです。
そして、佐賀県知事就任後、育児や介護をきっかけとした退職を防ぐための施策の1つとしてテレワークの導入を強力に推し進めたのです。
テレワークとは?
「テレワーク (telework) 」の「テレ(Tele)」は、テレパシー (Telepathy) 、テレホン (Telephone) のテレと同じで、「離れた場所で」という意味があります。
「ワーク (work) 」は仕事。「テレワーク」は、この2つを組み合わせた言葉で、ICTを活用した時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のことです。
(株)テレワークマネジメント代表の田澤由利氏によると、その分類は「雇用型」「自営型」と「モバイル型」「在宅型」の多様な組み合わせとなります。
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現在の日本は、少子高齢化が進み、人口減少社会に突入しています。そして、それは今後の労働人口の減少を意味し、出産・育児で退職した女性や、定年退職後の高齢者が働きやすい環境を整え、労働人口減を補うことが急務となっています。
また、ICTの進展で、通信環境、テレビ会議、モバイル端末、Wi-Fiなどが進化し、技術的に十分テレワークがしやすくなってきています。
そうした中で、内閣府の重要課題としてテレワークの有用性が認識されるようになったのです。
現在、総務省が中心となって「ふるさテレワーク」の実証事業が進められています。(こちらの記事参照)
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・・・というわけで、少子高齢化に伴う労働人口の減少、介護離職の増加などに対応する一つの策として、今後、官民挙げて「テレワーク」の普及促進・定着を進めていくことが求められているのです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.12.17記)