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さて、「今日の一言メモ」第248回です。
「亀の甲より年の功」
「亀の甲より年の功」とは、年長者の豊富な経験は貴重であり、尊重すべきものだという意味です。
亀は万年生きると言われており、それに比べれば人生の八十年程度は短く感じるとしても、年長者の経験から身につけた知恵や技術は貴ぶべきだということです。
本来は、「亀の甲より年の劫」と書くそうです。「劫」は、きわめて長い時間を指していて、「甲」は甲羅を指し、「甲」と「劫」の同音をかけてできたことわざだとか。
「年の功」も、一つ間違えば老害に
今の時代の若者には信じられないかもしれませんが、かつて日本の会社では年功序列制度が当たり前でした。
知識・能力・リーダーシップに秀でていたとしても、年の功がまず必要だったわけです。
今や年功序列は崩れたといわれていますが、男性優位・年齢優先といった過去の呪縛は、まだまだその引力を保っているように思われます。
皆さんが所属する組織の中で、知識・能力・リーダーシップより年齢によって経験を積んでいるかどうか判断され、上司になっている方はいますか?
そうした上司でも、性格が良ければまだしも、偉そうにしたり各種ハラスメントに及ぶ困ったちゃんでは、部下になった方が気の毒です。
やはり年の功を発揮するためには、経験に裏打ちされた知識・能力・リーダーシップを兼ね備えることが必要でしょう。
そうでないと、単なる老害に陥ってしまいます。
「年の功」に頼るのではなく、現代でも求められるスキルを磨き、それを発揮して貢献する
単なる年の功だけでは、現代にフィットしないことがたくさんあるでしょう。極端な例を挙げれば、長年の修練の賜物として算盤 (そろばん) の達人だったとしても、現代ではその能力を発揮できる場面は相当少ないはずです。
AIやICTの技術がどんなに進歩しても、例えばヒューマンスキルやコミュニケーションスキルの面では、そのスキルの高さと円熟した人間性を持っていれば、現代にも大いに活かせるでしょう。
これらのスキルは、科学技術の進歩とは違って、そうそう陳腐化しないものだからです。
こうしたスキルを磨き、人さまのお役に立つよう発揮してこその「年の功」だと思います。
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さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2019.10.23記)