(画像出典元はこちら)
さて、「今日の一言メモ」第559回です。
「亀の甲より年の功」
「亀の甲より年の功」とは、年長者の豊富な経験は貴重であり、尊重すべきものだという意味です。
亀は万年生きると言われており、それに比べれば人生の八十年程度は短く感じるとしても、年長者の経験から身につけた知恵や技術は貴ぶべきだということです。
本来は、「亀の甲より年の劫」と書くそうです。「劫」は、きわめて長い時間を指していて、「甲」は甲羅を指し、「甲」と「劫」の同音をかけてできたことわざだとか。
「年の功」か「老害」か
今日10月16日は、「ボスの日」です。日頃お世話になっている上司などに、感謝の気持ちを込めてプレゼントしたりするそうです。
今でも色濃く残っているところはありますが、かつて日本の会社では年功序列制度が当たり前でした。知識・能力・リーダーシップはともかく、年の功がまず必要だったわけです。
今や年功序列は崩れたといわれていますが、男性優位・年齢優先といった過去の呪縛は、まだまだその引力を保っているように思われます。多くの組織の中で、知識・能力・リーダーシップより年齢によって経験を積んでいるかどうか判断され、上司になっている人がいることでしょう。
そうした上司でも、性格が良ければまだしも、偉そうにしたり各種ハラスメントに及ぶ困ったちゃんでは、部下になった方が気の毒です。
やはり年の功を発揮するためには、経験に裏打ちされた知識・能力・リーダーシップを兼ね備えることが必要でしょう。そうでないと、単なる老害に陥ってしまいます。
「老いたる馬は道を忘れず」
老いたる馬は道を忘れずとは、経験豊かな人は、判断が適切であることの例えです。老いた馬は道をよく知っており、迷うことがないことから転じて、高齢者の知恵や経験はいかすべきだという教えです。
地球上の物理的な道ではない、人が進んでいく道(目には見えない)は、科学技術の進歩などで日進月歩の現代にあっては、経験豊かな人の判断が必ずしも適切かどうか分かりません。
かつて通った安全な道ばかりを選ぶのではなく、道なき道を切り開いて進むのが正解のこともあるでしょう。今の時代は、リスクを取らないことが最もリスクのある行動かもしれないので。
・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
・・・・・・・・・・・・
(2020.10.16記)