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さて、「今日の一言メモ」第681回です。
「臍を噛む」
臍を噛む(ほぞをかむ)とは、ひどく後悔することで、どうにもならないことを悔やむことの例えです。
「臍」(ほぞ)とは、へそのことを指し、自分のへそを噛もうとしても口は届きませんが、それでも噛もうとするほど残念でいらいらする様子を表しています。
この言葉は、『春秋左氏伝』という故事に基づいているそうです。
古代中国の春秋時代、鄧の祁侯(きこう)が楚の文王を泊めてもてなした。その際、祁侯の忠臣三人が、やがて敵対してくる文王を今のうちに殺し、臍をかまぬようにと進言したが、祁侯は無視した。それから十余年後、鄧は楚の文王に滅ぼされた。『春秋左氏伝』
「ネガティブ&パッシブ」に陥る時
人生それなりの期間生きていれば、多くの経験を積み、知恵もついてきます。でも、つらいことや悲しいことがあれば、やはり泣きたくなる時もあります。
そんな時は、どうやってもポジティブ(肯定的)な受け止め方などできず、ネガティブ(否定的)な受け止め方をして負のスパイラルに陥ってしまいます。
その結果、「何をやってもうまくいかない」などと嘆き、行動が萎縮してアクティブ(能動的)ではなく、パッシブ(受動的)な姿勢をとってしまいます。
していい後悔、してはよくない後悔
そういったつらいことや悲しいことがあった時は、一見つらくて悲しいことに思えても、それは今自分が出会う必要のあることだったのだ、偶然ではなく必然だったのだ、と受け止めれば、その出来事を客観的に捉え、ポジティブに解釈し、次なる行動もアクティブになると思うのです。「人間万事塞翁が馬」ですね。
若い頃を思い返せば、手ひどい失恋をしたこともあるでしょう。でも、それは失恋の痛手を実際に経験することで、人の痛みを理解することが可能になったのだ、と解釈できます。いわば必然だったのです。
そして、常に「ポジティブ&アクティブ」を信条に進み、次なる恋にアタックすればいいのです。それでまた失恋して、こんな恋なんかしなければ良かったと後悔するかもしれません。
でも、「ネガティブ&パッシブ」に徹して二度と恋などせずに人生を終えたとしたらどうでしょう。自分の人生を振り返ってとんでもなく大きな悔いを覚えるのではないでしょうか。
結婚もそうかもしれません。「結婚は人生の墓場」といわれていますが、一方で「未婚は人生の砂漠」ともいわれています。「ポジティブ&アクティブ」な態度で結婚をして、でももしかしたら離婚して後悔するかもしれません。「ネガティブ&パッシブ」を貫き一生独身を貫いても後悔するかもしれません。
どっちも後悔するなら、僕は「ポジティブ&アクティブ」に取り組んで後悔する方を選びたいと思いますが、どうでしょうか?
あの東日本大震災からちょうど10年が経ちます。あの日、一瞬で大切な家族・友人・自宅・思い出の品々を失った方々の哀しみやつらさは想像を絶するものがあります。それでも起ち上がり、多くの思いを胸に秘めて、今は笑顔を浮かべながら「ポジティブ&アクティブ」に前を向いて進んでいる姿を拝見すると、その姿に胸を打たれます。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2021.3.9記)