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【今日の一言メモ】・・・既得権益集団を守る岩盤規制を打ち破り、自民党の長老支配を変えていく突破力を自民党総裁、そして日本の首相には求めたい

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さて、「今日の一言メモ」第789回です。

「花に嵐」

「花に嵐」とは、良いことには、とかく邪魔が入りやすいことの例えです。

好事を「花」に見立て、「嵐」はそれを散らして吹く激しい風の意味です。花がきれいに咲くと、激しい風が吹いて撒き散らしてしまうことから、良いことにはとかく邪魔が入りやすいことを意味しています。

規制改革に吹きつける嵐

安倍政権が進めたアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」がなかなか成果を挙げられなかった大きな要因は、既得権益にしがみつく大きな勢力により、成長に必要な規制改革がなかなか進まなかったことにあります。

それは、業界団体⇔監督官庁⇔族議員というトライアングルががっちりスクラムを組んで「岩盤規制」という強固な壁を作り、行く手を阻んだからです。

例えば運転免許証のデジタル化を考えてみます。ここにも行く手を阻むトライアングルが見え隠れします。運転免許証の監督官庁は警察庁です。そして、実際の免許証発行者は各都道府県の公安委員会になります。

そうした組織を定年退職した職員の多くは、警察関係の民間企業に天下りします。我々が免許の更新に地元警察暑に行って、自分で用意した顔写真を提出するとあまりいい顔をしてもらえません。

なぜなら別の建物に控えている顔写真を撮影する業者の売り上げが減るからです。そしてその業者には警察OBが入っています。

こうした民間企業は他にもあります。たとえば信号機をメンテナンスする会社もそうです。全国で信号機のLED化が進められていますが、その進捗は遅いものです。なぜなら製品寿命が長くメンテナンスがさしていらないLEDになってしまうと点検保守の仕事が少なくなってしまうからです。

ほんの小さな例ですが、こうしたところに既得権益があり、警察OBのいる業界団体⇔警察庁⇔警察族議員というトライアングルはその既得権益を守るために暗躍するはずです。

病床拡大を阻む「医療ムラ」

現在、自民党総裁選の話題でもちきりですが、中心人物ともいえる河野太郎氏はかつて脱原発論者の急先鋒でした。現在は、2050年のカーボンニュートラル=脱炭素社会の実現に向けて過渡的な原発利用を容認していますが。

その河野氏が以前主張していた「原子力ムラ」の存在があります。それは、電力会社やその関連会社、電気事業連合会と経団連、そして電力会社に依存する企業群や関連団体などから成る「原子力ムラ」のことです。

この存在は、脱原発を主張する議員に対して、激しいロビー活動を仕掛けるそうです。多くの若手議員から、「原子力ムラから脅された」などの相談を河野氏は受けていたようですが、本心では原発をやめるべきだと考えている議員の多くが、こうしたロビー活動のために身動きが取れなくなっている実態があると指摘していました。

原子力ムラは政治家にとって命綱となる選挙を、物心両面で支えています。パーティ券の購入や政治献金などを通じた政治活動の支援も、電力会社本体はもとより、関連会社、下請け、関連団体などを通じて、幅広く行っています。原発の再稼働を容認しないと発言した途端に、議員の集票や資金集めに支障が出てくるといっても過言ではないほどの影響力があると河野氏は言っていました。

それがこのコロナ禍にあって、「医療ムラ」の存在がクローズアップされています。これもやはりいたずらに医療提供体制を拡充して病院・医院の経営を危うくしないようにという力学が働き、医師会・厚労省・政治家族議員というトライアングルが既得権益を守るために動くのです。

川崎市の総合病院の事例

このコロナ禍で感染者数の拡大第5波が訪れ、東京都や神奈川県では発症してもままならず入院ができず自宅療養を余儀なくされる感染者が続出しました。そして、受けられるはずの医療が受けられず自宅で亡くなる方が少なからずいたという、あってはならない事態になりました。

そんな時に、NHKの「NEWS WATCH 9」(9/13放送) で「新型コロナ自宅療養に限界・病床なぜ増えない」という特集がありました。(こちらのサイト参照)

その内容は、川崎市のある総合病院が重症者用の病床を増床し、ECMOなどの機器も揃えて患者を受け入れようと準備したものの、主に医師会(地域医療構想調整会議)の反対にあって稼働できなかった、という衝撃的なものでした。

その会議で、神奈川県医師会の理事がこう発言したそうです。

「一病院の増床を認めると、医師や看護師の取り合いが起こってしまう。そうすると結果として(医療機関が)共倒れになってしまう。」

(画像出典元はこちら

まったく信じられません。医療行為を受けられず苦しんでいる人がいるのに、そうした患者さんを受け入れようと必死で準備を進めて、あとは患者を受け入れるばかりの病院があるのに、それにストップをかけるとは……。怒りを禁じ得ません。

そんなことがまかり通る医療行政には早くメスを入れなければいけません。

これまで規制改革担当大臣・コロナワクチン担当大臣を務めてこられた河野太郎氏が、自民党総裁となり一国の首相になるかは分かりませんが、こうした日本のアチコチに存在する既得権益集団、そして、それを助長してきた監督官庁の存在や自民党の長老支配をなんとしても変えて欲しいと思います。

そうしたことを目指してきた菅首相の功績は確かにあります。なかなか報道もされませんが、そうした路線は、新たな首相に是非引き継いで欲しいと思います。

・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!

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(2021.9.18記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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