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閑話休題。
今日は、石破茂自民党元幹事長のブログを読んで、感じたことを記しておきます。(こちらの記事参照)
コロナ禍に関するブログ記事内容
石破氏がブログに書いている点を要約すると以下の通りです。
「陽性者」≠「感染者」&「発症者」
- 「オミクロン株の感染者が急拡大」と連日報道され、再び社会的な活動が停滞しつつあるが、「陽性者が急拡大」と言うのが正しい。
- 「陽性者」は、「感染者」でもなければ「発症者」でもない。
- ウイルスやウイルスの死骸が鼻腔や口の中に入るのは、平素から誰にでも起こるが、これを検査可能な値になるまで増幅させるPCR検査で反応があれば「陽性」となる。
- そのウイルスが体内の細胞内に入った段階で「感染」となる。
感染対策で大切なのは、免疫力をいかに高めるか
- 体内の免疫システムがウイルスを排除できない場合に「発症」となり、問題とすべきはこの段階。
- ただ体内に入った「陽性」のみを対策の基準にし続けると、根本を間違える可能性が高い。
- 本来は「免疫力をいかに高めるか」という話が大切だが、報道においては前面に出てこない。
- 「陽性」の段階で免疫システムがきちんと働けば、他の人にうつすほどにウイルスが体内で増殖することはない。
- なので、感染対策を論ずるなら、睡眠をきちんととる、少しでもいいので日光を浴びる、無理のない程度に歩く(運動する)、など、免疫力を高める数々の方策をもっと広めるべき。
医療機関の体制づくり
- そして、実際に発症した場合は、迅速に医療機関における適切な治療が受けられる体制づくりを行う。
- それには、大病院におけるコロナ患者受け入れ、それ以外の患者の中小病院への受け入れ、あるいは広域連携による患者の搬送など、「有事」の体制に切り替えられることが必要。
ブログ記事を読んで
石破氏は、年齢が近く(1学年差)大学が同窓ということで親近感を持っていました。自民党総裁選に4回立候補して連続して落選していますが、政策通で理論派であり、きわめて正論を述べる人です。それゆえに政治の世界では煙たがられているようです。
今回のコロナ禍に関してブログに掲載された内容も、的を射ていると思います。いたずらに検査陽性者数の急拡大を中心に報道を続けるマスコミの姿勢には常々疑問を感じていましたが、石破氏のブログで明快に分析されていると思います。
東京都発表の数値
参考までに、東京都の「都内の最新感染動向」サイトで発表されている昨日(2022.1.22)時点のデータを一部転載しておきます。
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確かに、「新規感染者数」ではなく「新規陽性者数」と記載されています。
そして、都基準の重症者数は12人(国基準では409人)、死亡者数は3人となっていますが、こちらはあまり多く報道されません。この数値をどう捉えればいいのでしょうか。
病床拡大を阻む「医療ムラ」の存在
昨年の一時期、医療体制の拡充を巡ってなぜベッド数が増えないのか、という議論が巻き起こりました。日本は世界一のベッド数を持っていて、欧米に比べてきわめて少ないコロナ感染者数なのに、なぜこんなに早く医療体制が逼迫するのかという疑問が出発点でした。
その議論も今はすっかり影を潜めています。NHKが昨年(2021.9.18)放送した「NEWS WATCH 9」という番組で、「新型コロナ自宅療養に限界・病床なぜ増えない」というテーマで特集を組んでいました。こちらのサイトで内容を見ることができたのですが、現在は削除されているようです(なんらかの圧力がかかったのではないかと勘ぐりたくなります)。
昨年こちらのブログ記事で、番組の内容をご紹介しましたので一部を再掲します。
番組の内容は、川崎市のある総合病院が重症者用の病床を増床し、ECMOなどの機器も揃えて患者を受け入れようと準備したものの、主に医師会(地域医療構想調整会議)の反対にあって稼働できなかった、という衝撃的なものでした。
その会議で、神奈川県医師会の理事がこう発言したそうです。
「一病院の増床を認めると、医師や看護師の取り合いが起こってしまう。そうすると結果として(医療機関が)共倒れになってしまう。」
まったく信じられません。医療行為を受けられず苦しんでいる人がいるのに、そうした患者さんを受け入れようと必死で準備を進めて、あとは患者を受け入れるばかりの病院があるのに、それにストップをかけるとは……。そんなことがまかり通る医療行政には早くメスを入れなければいけません。
こうした構造は、「医療ムラ」と呼ばれる存在によるものです。いたずらに医療提供体制を拡充して病院・医院の経営を危うくしないようにという力学が働き、医師会・厚労省・政治家族議員というトライアングルが既得権益を守るために動くのです。
同様の構造は、電力会社やその関連会社、電気事業連合会と経団連、そして電力会社に依存する企業群や関連団体などから成る「原子力ムラ」などにも見られます。こうした「ムラ」の存在によって強固な「岩盤規制」が敷かれがんじがらめに新規参入を阻止しているわけです。
昨年の自民党総裁選で、菅義偉総裁の立候補を阻み、規制改革の急先鋒であった河野太郎大臣の当選を阻んだのは、改革を望まない勢力(各種業界に存在する「ムラ」)による暗躍もあったのではないかと、穿った見方をしています。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.1.23記)