さて、「今日は何の日?」シリーズ第11弾をお届けします。
6月28日は「貿易記念日」
今から155年前、安政6年5月28日(新暦1859年6月28日)に、江戸(徳川)幕府が、ちアメリカ・イギリス・フランス・ロシア・オランダの五か国との間に結んだ友好通商条約に基づき、横浜・長崎・箱館(函館)の各港で自由貿易の開始を布告しました。
このことににちなみ、1963年の閣議決定で制定されたのが「貿易記念日」です。
日本の貿易の歴史
それでは、今日は社会科のお勉強。
一般社団法人 日本貿易会(Japan Foreign Trade Council,Inc.、略称:JFTC)が子ども向けに解説しているサイトを参考にして、日本の貿易の歴史について要約してみましょう。
日本はアメリカ、中国、EUに次ぐ世界第4位の「貿易立国」です。
日本は資源が乏しく、原油などの燃料資源や工業原料などの大部分を海外から輸入して、それを加工・製品化して輸出する加工貿易を得意として、経済成長を遂げてきました。
戦後は、原材料・素材加工型製品、軽工業・雑貨品の輸出が中心でしたが、その後、1960年代は鉄鋼、船舶など重化学工業が発展し、重厚長大型産業製品が輸出の主力となりました。
70~80年代は、日本産業の競争力が大幅に高まり、電子・電気機器、輸送機器、精密機器など加工組立型製品の輸出が主力となりました。
80年代の日本の高度成長期の時代には、貿易不均衡による貿易摩擦が継続的に生ずるようになったことなどから、日本メーカーの海外進出、海外現地生産が積極的に進められました。
90年代に入ると、自動車やITなどの高度な技術力や知識力を必要とする高付加価値のハイテク製品をめぐる競争時代となりました。
現在では、経済グローバル化時代を迎え、バイオ・テクノロジーや太陽光発電などの新エネルギーなど新たな産業分野も生まれ、産業・ビジネスの環境はめまぐるしく変化しています。
「貿易立国」日本の転換点
さらに中国など新興国の台頭や各国間での自由貿易協定(FTA)の締結など、新たな競争時代を迎えて、日本の産業・貿易構造は大きな転換期に直面しています。
2013年、日本の貿易総額(輸出額と輸入額の合計)は約151兆円。この金額は日本の国家予算(2013年度一般会計92.6兆円)を大きく上回っています。
日本の輸出入の貿易総額は、40年前(1973年基点)に比べて約7.39倍となっています。
過去30年間ずっと輸出額のほうが輸入額を上回っていましたが、2011年に31年ぶりに貿易収支が赤字となり、2013年も拡大しました(-11.5兆円)。
日本の貿易額は、輸出で2007年に、輸入で2008年に最高額を記録しましたが、2009年には、アメリカの「金融危機(リーマンショック)」の影響から、100年に一度といわれる「世界同時不況」で、これまでになかった大幅な減少(げんしょう)となりました。
2010年に回復したものの、2011年の東日本大震災の影響や政府債務問題で低迷するEU、大洪水の影響から生産活動が低迷するタイ、尖閣諸島問題で、関係が悪化する中国向け輸出が大幅に減り、原子力発電所を代替するための火力発電所の電力用LNGを中心に輸入が大幅に増加しています。
というわけで、戦後復興を果たした日本は、長年輸出を通じて高度成長を果たしてきたわけです。
それが、2011年を境に貿易収支の赤字が続いています。アベノミクスの効果で、好転しつつある日本経済ですが、今後どのように産業構造を転換していくか次第で、輸出入の推移が変わっていくことになります。
いずれにしても資源を持たない日本が、今後の成長を果たすためには、貿易が重要な手段であることは変わりありません。
というわけで、緊迫する東アジア情勢が、なんとか平和な方向に向かって欲しいと思う梅雨空の朝なのでした。
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さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2014.6.28記)