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地方創生・・・建設機械で世界2位のコマツが、石川県小松市で取り組む木質バイオマス発電に注目!

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アイキャッチ画像(画像出典元はこちら)

さて、当ブログでは以前、バイオマス発電に関連して以下の記事をアップしてきました。

エネルギーの地産地消を目指して、4省庁が連携

“平成28年度 地方創生関連予算等” が可決・成立

政府は、特に再生可能エネルギーである「木質バイオマスエネルギー」の拡大を推進しているのです。

そこで、今日は巨大企業であるコマツが石川県小松市で進めている木質バイオマス発電について見てみることにしましょう。

木質バイオマス発電とは?

「バイオマス」とは、生物資源 (bio) の量 (mass) を表す言葉で、「再生可能な、生物由来の有機性資源 (化石燃料は除く) 」のことを指します。その中で、木材からなるバイオマスのことを「木質バイオマス」と呼びます。

木質バイオマスには、主に、未利用間伐材等 (樹木の伐採や造材のときに発生した枝、葉などの林地残材)、製材工場等残材 (製材工場などから発生する樹皮やのこ屑)、建設発生木材 (土木工事の建設現場や住宅の解体材) などの種類がありますが、未利用間伐材等はこれまでほとんど利用されてきませんでした。

この木質バイオマスを、再生可能エネルギーとして利用することが期待されているのです。我が国では、エネルギー需要の多くを輸入された化石燃料に頼っています。エネルギー源の多様化、リスクの分散という意味からもバイオマスエネルギーの利用を広げていく必要があるのです。

そして、政府は木質バイオマスをはじめとする地域資源を活用したエネルギーに切り替えることで、エネルギーへの支出を地域で循環させて雇用や税収を生み出そうとしています。

コマツが取り組むバイオマス発電

コマツは2015年3月、国内の主力工場のひとつである粟津工場敷地内に、地元石川県の未利用間伐材の木材チップを使用するバイオマス蒸気ボイラシステムを新たに設置しました。

このシステムはボイラからの蒸気を発電に利用するだけではなく、その排熱自身も空調などに最大限利用することで、高いエネルギー効率を実現しているとしています。

粟津工場のバイオマス蒸気ボイラシステムの特長は、次の図の通りです。

粟津工場バイオマス蒸気ボイラシステムの特長(クリックで拡大、画像出典元はこちら)

[粟津工場バイオマス蒸気ボイラシステムの概要]
①主な構成設備 バイオマスボイラ4台、蒸気コンプレッサ、蒸気式発電機2台等
②発生エネルギー量 3,200kW(発電+排熱)
③木材チップ使用量 7,000トン/年(供給元/かが森林組合)
④購買電力削減効果 約150万kWh/年
⑤設備投資額 約4億円
⑥稼働時期 2015年4月本格稼働

新たなシステムの稼働により、粟津工場敷地内に建設した新しい組立工場の年間購買電力量の90%以上を削減するとしています。

また、この取り組みは、コマツ、石川県、石川県森林組合連合会との3者で、2014年2月に締結した「林業に関する包括連携協定」の具体的な第一歩でした。

地元の未利用の間伐材を中心とした循環サイクルを生み出し地域を活性化することで、「地方創生」と「エネルギーコストの低減」の両立を実現しているのです。

最後に

現在、国内の森林資源は、戦後植えた木が大きく育ち、国産材の供給量がアップしているといいます。この資源を有効活用しない手はありません。

先日(2016.4.14) 、可決・成立した「平成28年度 地方創生関連予算等」においても、「バイオマスエネルギーの地域自立システム化事業」10.5億円が予算措置されました。

我が国が、エネルギー需要の多くを輸入された化石燃料に頼っている限り、その支出は海外に流出してしまいます。

それが、木質バイオマスを再生可能エネルギーとして利用できれば、エネルギーへの支出を地域で循環させて雇用や税収を生み出すことが可能となります。

国が中心となって、民間事業者では取り組みにくい設備投資を担い、エネルギー対策の基盤を整えることは重要です。

それでも、コマツのような巨大企業が率先して取り組むことで、更に前進することは間違いありません。

今後の木質バイオマスのエネルギー利用拡大に期待したいと思います。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.7.3記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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