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さて昨日は、福岡市内で開催された「第1回 一億総活躍・地方創生全国大会 in 九州~震災を克(こ)えて~」の冒頭で、安倍晋三首相が行った特別講演の概要をご紹介しました。
今日は、少し詳しくその内容を確認してみたいと思います。
特別講演のポイント
特別講演の様子は、政府インターネットテレビで約38分の動画に纏められています。
安倍首相は、まず第一に熊本地震からの復興について述べ、政府として最大限の取り組みをすると確約しました。
次に、「地方創生の先駆け」となるような以下のような取り組みをあげました。それは地方こそが、これからの「成長の主役」と位置付けているからだと言います。
- 農林水産物の輸出拡大方針
- インバウンド観光の拡大
- 交通インフラの整備
では、今日は「農林水産物の輸出拡大方針」に関する発言内容を詳しく見てみましょう。
養殖ブリの輸出
九州と言えば、ブリの一大産地です。先日、当ブログでご紹介した30歳の副町長 (総務官僚) が活躍している鹿児島県長島町は、ブリの養殖世界一です。
ブリ大根に、ブリの照り焼き。脂ののったブリは僕も大好きです。そのブリが、今、海外で人気を博していて、この3年間に輸出額が2倍近くまで増えたそうです。
鹿児島の東町漁協では、以前から先駆的に、養殖ブリの輸出に取り組んできました。輸出には、国ごとに厳正な品質管理、衛生管理が求められ、HACCP (ハサップ) の認証を受けた加工設備を整えなければならないそうです。
東町漁協では「夢を持てる漁業」を合い言葉に、こうした設備投資を積極的に行ってきたのです。いわば「未来への投資」を行ってきた結果、現在、世界20か国以上に販路が拡大しているとか。
そうした結果、若い後継者もどんどん出てくるようになりました。地域の漁業の「未来」も切り開くことができたわけです。
農林水産業は国の基
「農林水産業は国の基」だと安倍首相は言います。しかし、農業人口は、この70年で8分の1に減少し約100万人。平均年齢は66歳を超えています。農林水産業を守るためには、今こそ改革が必要だと訴えます。
若い人たちが、夢や情熱を持って、未来を切り開ける農業へと改革を進め、海外を目指す、と主張します。
安倍内閣の下で、農林水産物の輸出は、3年連続で過去最高を更新し、7千億円を超えました。2020年より前に、これを1兆円に拡大する方針です。
「あかい、まるい、おおきい、うまい」イチゴ「あ・ま・お・う」は、香港やシンガポールでは、大変な高級品で人気だそうです。
値段は、国内の2倍以上。福岡産いちごの国内の平均価格はキロ800円ほどなのに対して、中にはキロ6千円で販売されている所もあるとか。
海外に飛び出せば、良い物はより良く、より高い値段で評価される市場が待っています。何よりも、日本産の農産物、日本食は、安全で、健康的だ、との評価が世界に広がっています。
TPPの早期発効で、自由・公正な経済圏を世界に広げる
TPPの早期発効を目指し、さらには、EUとのEPAなど経済連携を積極的に進め、自由で、公正な経済圏を世界に広げていくことで、そのチャンスをもっと拡大していきたいとしています。
農林水産業従事者は、このチャンスを最大限生かして欲しい、そして、その未来へのチャレンジを政府は全力で応援すると安倍首相は力説しました。
輸出1兆円時代、更にその先を見据えながら、農林水産物の輸出基地や輸出対応型施設を全国に整備し、生産性向上のための、経営規模の拡大に向けた投資も後押しする方針とのことです。
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さて、長くなってきましたので、「インバウンド観光の拡大」「交通インフラの整備」については、次回以降で。
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というわけで、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2016.7.30記)