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地方創生・・石破茂・前地方創生担当大臣の退任所見に見る、国家・社会構造の根本的な変革への思い

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アイキャッチ画像(画像出典元はこちら)

さて、いよいよリオ・オリンピックが開幕し、初日から熱い戦いが繰り広げられています。日本選手のメダル獲得のニュースも続々と入ってきました。

そんな中、これまで地方創生担当大臣として安倍首相を支えてきた石破茂氏が、「BLOGOS」で大臣退任にあっての所見を書いています。(こちらの記事参照)

そこで、今日はその所見で注目しておきたい点について、書き留めておきたいと思います。

一朝一夕に変えられない国家システム

地方創生に関して、石破氏はまず次のように書いています。

「目に見えた成果が上がっていない」とのご指摘もありますが、魔法使いではあるまいし、戦後70年余、連綿と続いてきた東京一極集中の流れが一朝一夕に変えられるはずはありません。

当ブログでは、今年に入ってから、これまで「地方創生」をテーマにした記事を、137アップしてきました。

そうした記事で「地方創生」に関する一連の動きを追ってきましたが、そこで石破氏の奮闘ぶりが相当見えてきたものです。

今年4月に佐賀市で開催された「佐賀県知事・県内首長との地方創生に関する意見交換会」で、石破氏は地方創生が失敗する要因として以下の3点を挙げていました。

「やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民間、無関心の市民」

地方創生担当大臣としての2年間は、ある意味この3つとの戦いだったかもしれません。

退任所見で、石破氏は次のように続けています。

経済成長下、人口増加の局面においてのみ有効に機能しえた国家システムを変えるという作業がいかに困難なことなのかを痛感した2年間でしたが、変革の芽は点から面へと拡がりつつあると認識しています。

まだ点が密になりつつあるという段階なのかも知れませんが、2年間に廻った250余の市町村のあちらこちらで確実に意識が変わりつつあることを感じました。

国家・社会構造の根本的な変革が必要

国家システムの根本的な変革の必要性について、石破氏は次のように書いています。

国家・社会の構造を根本から変えていかなければ、抜本的な解決にはならないであろうことも感じております。それは「革命」や「維新」などといわれるようなものなのかも知れませんが、そこまで急進的である必要はなく、政治のみがそれを為し得るものだと思います。

一つや二つの内閣では到底為し得ないものである以上、いつかはこれに手を付けなくてはなりません。「道州制」は唯一の答えではありませんが、有力な手段の一つであることもまた確かです。

石破氏は、日本という国を動かすシステムについて、大きく舵を切る必要性を感じているのでしょう。そして、それには長い年月が必要であり、その過程で自分が総理大臣として職務を果たしたい、という思いがあるのではないでしょうか。

最後に

今年4月に熊本地震が発生した際に、石破氏は自分の守備範囲ではないにもかかわらず、「防災庁」的な組織の必要性を主張しました。

退任所見の中で、石破氏は次のように説明しています。

期限を区切って各省庁から職員が寄せ集められているが故に専門家が育成されにくいこと、防災の文化が継承されにくいこと、専任大臣が置かれていないこと、などを考えれば、世界屈指の災害大国であり、首都直下型地震も確実に起こることが想定される中にあって、もう一度広範な議論が必要に思えてなりません。

続けて次のようにも書いています。

国土のグランドデザインを描く部局も同様で、生え抜きの職員で構成される専門組織が日本にはどうしても必要なのではないでしょうか。

地方創生というプロジェクトは、日本の在り方そのものを見直す壮大なものなのだなあと、強く感じたことでした。

石破氏が、2年間の地方創生担当大臣の職を通じて強く感じた思いなのでしょう。

中央省庁が縦割り行政であることの弊害、国と地方自治体の在り方、進まない (進められない?) 地方分権など、問題は山積している中で、国家・社会の構造を根本から変えていくことは至難の業です。

・・・というわけで、石破氏が総理となって、国土のグランドデザインを描く専門部局を置く未来をつい想像してしまうのでした。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.8.8記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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Consulting Office SMART代表/富田邦明が人となりをお伝えするために運営しています。

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