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さて、先日 (2016.8.29) 、50歳以上の求職者を重点的に支援する「シニア・ハローワーク戸畑」が、北九州市戸畑区に開設されました。(こちらの記事参照)
そこで今日は、国家戦略特区を活用したこの取り組みの内容を確認してみます。
「シニア・ハローワーク戸畑」の開設経緯
ハローワークは本来、年齢に関わらず全ての相談者に平等に対応するのが原則です。しかし、2016年1月に国家戦略特区に指定された北九州市が設置を提案、認められたものです。
北九州市の狙いは、少子高齢化が進む中、地元住民だけでなく、UターンやIターン希望者にも積極的に情報を提供して受け入れを図り、地域活性化につなげることです。
国家戦略特区制度の活用で、世代を絞った就労支援が可能になりました。全国で有効求職者に占める45歳以上の割合は、45.5% (2016年5月時点) に上るそうです。
特区制度で成功した施策は、全国展開されることもあり得るので、シニア世代の求人と求職を効率的に結び付けられるかどうか注目されています。
「シニア・ハローワーク戸畑」の概要
実際の施設は、市の「ウェルとばた」内にあるハローワーク八幡戸畑分庁舎内に、専用ブースを設置し、相談員1人と専従職員3人の計4人が対応しています。
概ね50歳以上を対象に職業相談を受け、常勤雇用や派遣といった幅広いニーズに応じた求人情報を提供します。窓口が開いているのは、平日の午前8時半~午後5時15分です。
同じフロアにある、北九州市の高年齢者就業支援センターや、U・Iターン応援オフィス (小倉北区) と連携。求人情報は、東京にある出先機関のシティプロモーション首都圏本部 (10月から北九州市東京事務所) でも閲覧でき、首都圏から移住者を呼び込み、人口減の食い止めを狙っています。
最後に
総務省が7月に発表した、1月1日時点の人口動態調査で、北九州市の前年からの人口減少数は全国の市区で最も多い5,317人となっていました。
また、北九州市の高齢化率は1月時点で28.6%と、政令市の中で最も高いそうです。福岡労働局によると、同市や近隣の自治体を含めた北九州地域の有効求職者は5月時点で約2万1千人。うち45歳以上は46.2%と半数近くを占めています。
そうした中で、国家戦略特区を活用して開設されたのが「シニア・ハローワーク戸畑」です。年齢を問わず求職者に平等に対応することが原則のハローワークなので、厚生労働省は当初、難色を示したといいます。
しかし、50歳以上の求職者を重点的に支援するという北九州市の提案は、市が置かれた状況を考えれば、理屈が通っています。
ただ、今後こうした取り組みが全国に広がるには、北九州市でまず成功させる必要があるでしょう。どうか、実績を挙げて高齢者に働きがいを提供すると共に、地方創生に貢献して欲しいものです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.9.10記)