(画像出典元 : Wikipedia)
さて、昨日は移転の実証実験が開始されている消費者庁の移転を巡って、徳島県内の女性が誘致PR活動に乗り出したというニュースについて注目しました。
そこで今日は、消費者庁移転に関する現状の課題と意義について、石破茂地方創生担当大臣が語っているニュースに注目してみました。(こちらの記事参照)
実証実験を経て8月に結論を得るとした移転
先日 (2016.5.20) の参院地方・消費者問題特別委員会で、自民党の三木亨氏 (徳島選挙区) が実証実験業務について「公正公平な実証実験を行ってほしい」と求めたことに対して、河野太郎消費者行政担当大臣は次のように答えました。
「しっかりとしたテストを行い、ニュートラル (中立) な立場で判断する。」
大臣として移転の是非に対して予断を持たずに、実証実験に臨む考えを示したのです。
河野大臣は、続けて次のように強調し、移転実現に向けて力を尽くす意向を示しました。
「結論ありきの試験業務にするつもりはない。やれるなら (徳島に) 行くし、駄目ならどうするか考える。それでも駄目なら別のことを考えなければいけない。」
石破茂地方創生担当大臣が強調する移転の意義
徳島新聞が行った石破大臣へのインタビューで、大臣は現状の課題と移転の意義について次のように語っています。
「省庁が東京でないといけない理由は何か。国会との調整や他省庁との調整があるからだと言う。それなら、国会との調整や危機管理対応部門は東京に残しておけばいい。他省庁との調整も飛行機や新幹線、通信網が発達しているし、朝から晩までそういうことをやっているわけではない。」
そして、なぜ移転先が徳島なのか、については次のように語っています。
「なぜ徳島か。徳島県としては、消費生活相談員の多さなど、先進的な消費者行政をやっているということを理由に挙げる。充実した高速通信網も有利だと言う。移転に反対する人はいる。実証実験で徳島の優位性が証明されれば、移さないという理由はない。」
「これから先、日本は世界人類が経験したことのない超高齢化社会を迎える。高齢者はどちらかというと、消費者として弱者の立場にある。徳島のように高齢化が進んでいるが故に、高齢者向けの消費者行政をリアルに実証できるメリットがある。」
最後に、徳島に対する期待を次のように表現しています。
「消費者庁が来たら人が増えて、関連企業が来るのではみたいな話よりも、日本国中によりよい消費者行政を展開するんだ、その先頭を徳島は切るんだ、徳島が国を変えていくんだという意識に期待したい。その熱意が全てを決めるだろう。」
最後に
中央省庁の地方移転については、最初のぶち上げ方が華々しかっただけに、現状では文化庁の京都移転が決まったのみ…と大山鳴動して鼠…竜頭蛇尾といった感もありますが、消費者庁の誘致にかける徳島の熱意が連日報道され伝わってきます。
中央省庁の地方移転は、過去何度か検討の俎上に載ったものの、ことごとく潰えたと聞いています。
多大なる抵抗が事前に十分予想できたことと思います。それでも、ここまで前に進めてこれたのは、政治の力以外の何ものでもありません。
原発再稼働問題など単純に首を縦にふれない問題もありますが、是々非々で考えなければいけないでしょう。
今現在そうした政治力を持っている政府が存在することは、日本にとってとても重要なことだと思います。勿論、それが諸刃の剣であることは承知していますが…
かつての民主党政権の時代には、もう戻りたくはありません。
・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
・・・・・・・・・・・・
(2016.5.24記)