(画像出典元はこちら)
さて、eラーニングで学べる「地方創生カレッジ」の「基礎編」受講報告(4)です。
【基礎編】サブユニット4〜教育と地方創生
以下、今回受講した内容のポイントです。
教育は地方創生を支える重要課題
現在、小中学校をコミュニティが支える取り組みが、全国で行われている。
問題は、高等学校の生き残りである。少子高齢化の進展により、地方では高校の統廃合が進んでいる。
これは、かねてから離島で生じていた問題。島に高校がなくなってしまい、高校に進学するには、本土の高校に通うか、通学困難であれば本土に移住する家族も出てきた。島には、ますます若い人が少なくなり、全体の人口も減少する。
離島の問題が、現在あらゆる地方の共通の問題となってきている。高等学校の生き残りは、すなわち地域の生き残りの問題になってきている。
高等学校生き残りのあり方
地方の高校というと、ほとんどが県立高校である。ここに市町村とのギャップがある。
人口減により、市町村合併が進められ、高校の統廃合も同様に進められている。ここに、都道府県と市町村、首長部局と教育委員会という4つの縦割り構造が存在している。
地方創生は、横串を刺す取り組みであり、縦割りを排除しなければ、いつまで経っても部分最適の域を脱することはできない。
地方の高校であっても、全国から生徒を集められる特色ある学校づくりが求められている。
例えば、島根県立隠岐島前 (どうぜん) 高校のように、特色ある取り組みで1クラスにも満たない生徒数を、全国から集めて2クラスに増やしているケースもある。(島前高校については後述)
大学のあり方もきわめて重要
地方大学については、地元の高校生にとって魅力ある大学にしていくことしかない。
全国の大学と連携したコンソーシアムづくり、そして単位互換制度の拡充、そして、遠隔授業の導入など、工夫を凝らすことで、生まれ育った地方にいながら、東京大学でも京都大学でも、大阪大学でも北海道大学でも琉球大学でも卒業できるシステムづくりを目指すことが必要ではないか。
言ってみれば、「藩校」の一部復活を目指してはどうか。
要は、教育の中身の問題。地域に誇りを持ち、地域を守る人材の育成が、地方創生の鍵を握る。
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以上がポイントです。
島根県立隠岐島前 (どうぜん) 高校の取り組み
島前高校については、以前このブログでご紹介したことがあります。(こちらの記事参照)
(画像出典元 : 同校案内パンフレット)
同校は、隠岐の島という地理的に不利ともいえる立地にあって、高校魅力化に2008年から取り組み、生徒数を増やしています。
「島留学」をうたい、島外からの生徒を募ったほか、「特別進学コース」「地域創造コース」を用意。特に後者は体験型・課題解消型の学習や島ならではのカリキュラム、企業などへのインターンシップに重点を置いていることが特色です。
東京の大学の新設・増設を抑制する政府の動き
政府は2020年までに、東京圏への人口流入と地方転出の人数を同程度にする目標を掲げています。
しかし、2015年1年間の東京圏への転入超過は、約12万人と4年連続で増えており、東京一極集中は若者を中心に、むしろ加速しているのが現状です。
政府は、2016年12月14日に開催した「まち・ひと・しごと創生会議」で、東京一極集中の是正に向け、東京23区内での大学や学部の新増設を抑制する仕組みについて、検討を始めることを決めました。
今年の夏をめどに、法改正を行う必要性を含めて方針を取りまとめるそうです。
こうした政府の方針に首を傾げる向きもあります。(こちらの記事参照)
政府は、まず地方大学への支援を拡充する必要性も強調していますが、とにかく地方大学が腰を据えて取り組むべきは、真に学生に必要とされる存在となることでしょう。
それは、大学の存在価値を明確にして、地域に残りたい人を増やすことです。
そして、同時に大学卒業後に就職したくなる「魅力ある仕事」をつくるよう、地域全体での取り組みを強めることが重要です。
地元に学生を引きつけること
東京の大学に進学すれば、また地方の大学に進学したとしても、卒業生の多くは東京の企業での就職を目指します。
そのまま、結婚すれば、子どもを産み育てる環境としては過酷で、全国最低の出生率の東京に住み続けることになり、結果として人口減少の歯止めはかかりません。
地方の高校・大学をより魅力ある存在にし、学生を引きつけ、そして地元で魅力ある仕事に就く、それが地方創生に求められている課題です。
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さて、今日はここまでにしましょう。次回は、「サブユニット5 第一次産業の活性化と地方創生」を受講予定です。
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(2017.1.18記)