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さて、これまで出版への道を志すことになった経緯、想定読者に伝えたいことを書いてきました。 (こちらのページ参照)
前回は、平昌五輪で健闘している、カーリング日本代表に学んだ「持久力」について書いてみました。
そして、ここまで「失敗力」「嫉妬克服力」「イライラ克服力」「時間感覚力」「刷り込み力」「覚悟力」「持久力」など、「〜〜力」に着目して思うところを書いてきました。
他にもいろんな「〜〜力」がありますが、今日は、いろんな力を合わせた場合の「総合力」について書いてみます。
「総合力」とは?
日本人ノーベル賞受賞第1号となった湯川秀樹博士は、子供の頃から論語を読むといった教育を徹底して受けていたそうです。
また、陸上競技男子400m走の日本記録保持者で五輪ファイナリストであり、現在、陸上競技のコーチである高野進さんは「ただ足が速いだけじゃダメだ。陸上は総合的な人間力の勝負だ」と、現役の選手を指導しているそうです。
陸上競技や、湯川秀樹の理論物理学にしても、どちらかと言えば若い頃にその分野で突出した能力を持っていなければ一流になれず、更に突出しないとトップにはなれないと思われている分野です。
しかし、こうした才能こそが大事だと思われている分野においてさえ、実は背後にある総合的な人間力がなければ、本当にオリジナルなことを生み出したり、一流になることができないというのです。
総合的な人間力を育む
脳科学者の茂木健一郎さんは、次のように言っています。
「人間の脳のネットワークを考えると、1つの能力自体が分散した脳のネットワークの働きによって支えられています。
もともと脳の中にある能力を支えるモジュールが単独で存在しているわけではなく、それ自体が膨大な裾野を持っているとも言えます。
ですから、その裾野自体を底上げするためには、どうしても総合的な力の強化が必要です。」
高野進さんは、現役を引退してコーチになってからも研鑽を積まれて、どんどん人間力を上げていきました。
もちろん、記録では若い選手に負けるけれど、人間的な力ではまだまだオレの方が負けないと言います。自分はどんどん進化し続けている、若い選手には追いつかれないんだという、そういった気概は、どんな仕事をしている人にとっても参考になります。
現役を引退したからといって成長が止まるわけではなくて、ずっと成長できる。むしろ現役を引退したからこそ、見えてくることがある、身につけられることがある。だからコーチと選手は二人三脚で高め合っていける、というお話しはとても示唆に富みます。
シニア・シルバー世代が、現役世代とタッグを組む世界
「現役の選手には見えないものがある」という感触は、ビジネスの世界において、定年を迎える世代にとって、とても重要なことだと思います。
退職してから初めて見えてくることを、現役の世代と二人三脚で掛け算していく。そうすることで、初めて可能になることがあるんじゃないか。
それが、シニア・シルバー世代が、どうやって自分の人生を充実させ、社会に貢献していくかを考えるうえで、非常に大事なヒントになりそうです。
さて、長くなりましたので、続きは次回に。
では、また!
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(2018.2.22記)