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さて、先日来、日大アメリカンフットボール部の反則プレーに関する報道が続いていますが、そのモヤモヤぶりはいかんともしがたいです。
実態は、早晩明らかになると思いますが、今日は問題が発生した際のリスクマネジメントについて、北海道の銘菓「白い恋人」を製造・販売している会社が実際に陥った事例に学んでみたいと思います。
「白い個人」が「黒い恋人」と揶揄された事件
北海道といえば銘菓の宝庫ですが、その中でも抜群の知名度を誇るのが「白い恋人」です。
その「白い恋人」は、今や海外でも人気になっていますが、このお菓子を製造・販売しているのが石屋製菓株式会社という会社です。
「白い恋人」は、「北海道に来ないと買えないお菓子」というスタンスを発売当初から貫き、北海道土産の定番としてその地位を築いてきました。でも、今は海外でも人気なので、日本各地の国際空港の免税店に置かれているそうです。
その「白い恋人」が直面した危機がありました。
2007年8月に発覚した賞味期限偽装問題です。それまでの15年にも及ぶ賞味期限の改ざんに加え、他の商品も最大で2ヶ月間賞味期限が延長されたことまで発覚してしまいました。
問題は大々的に報道され、「白い恋人」は「黒い恋人」とまで揶揄されるようになるほど信用を地に墜としたのです。
このとき、石屋製菓は実に迅速な対応をとりました。
まず、創業家出身の社長は問題発覚 (マスコミ) からわずか3日で引責辞任を表明し、外部 (取引銀行) から社長を招いたのです。創業家の影響を排除するため、役員5人中4人の親族も退任させられました。
これで、社員全員が「安心・安全・コンプライアンス」という言葉で一致団結できたといいます。
これに加えて、賞味期限の個別包装紙への印字、週一度のコンプライアンス会議開催、品質管理部・経営管理部の設置など、具体的な問題解決策を1ヶ月以内に次々と実行し、それを公表しました。
その結果、3ヶ月後の操業再開時には、商品の売り切れ店舗が続出したといいます。
問題発生時のリスクマネジメント
石屋製菓の事例は、問題発生時の迅速な対応がいかに大事か教えてくれます。そして、情報開示を徹底し、問題発生要因の特定と問題解決に向けた対策を迅速に実行することで、失った信頼を早期に取り戻したのです。
今回の日大アメリカンフットボール部監督及び大学の対応は、いかにも初期対応を間違えた例といえます。早い時期に真相を公表し、被害者に対して真摯に謝罪し対応していれば、問題はこんなに大きくならなかったのではないでしょうか。
個人の対応に置き換えても、何か問題が発生した時は、迅速に事態収拾に動くと共に、事実を包み隠さず明らかにし、原因を究明し再発防止策を講じる、ということが王道でしょう。
何かを隠す、嘘をつくといった対応は最悪です。一度嘘をつくと、その嘘を糊塗するために更に嘘を重ねることになります。
何かあった時に、そのことを隠したい、隠すために嘘をつきたいという誘惑にかられた時は、そのことを思い出し踏みとどまってもらいたいと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2018.5.22記)