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【高校野球記念日にあたり】・・・「 甲子園の土」問題を考える

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(画像出典元はこちら)

さて、夏の甲子園で高校球児の熱戦が連日行われています。今日にはベスト4が出揃います。

そんな今日8月18日は、今から103年前の1915年 (大正4年) に、高校野球の前身である第1回全国中等学校優勝野球大会の開会式が、大阪の豊中球場で行われた日です。

第1回大会出場校は10校

今熱戦が続いている甲子園は、記念すべき第100回大会です。5年に1度 (下1桁が0と5の回) は記念大会として実施され、下1桁が0の回では一部の都道府県で参加可能な高校が拡大されます。

今回は、その記念大会にあたり、全国で3,789校が予選を戦い、それを勝ち抜いた56校が晴れの舞台である甲子園に出場しました。

(出典 : Wikipedia)

今から103年前の第1回大会では、全国で73校が予選に挑み、10校だけが全国大会に進んだということなので隔世の感がありますね。

(出典 : Wikipedia)

日程は、8月18日〜8月23日の6日間で熱戦が繰り広げられました。初優勝は、京都二中 (現・京都府立鳥羽高校) でした。

甲子園の土問題

最近個人間で品物を売買するフリーマーケットアプリ「メルカリ」に、「甲子園の土」の出品が相次いでいることが報道され、いろいろ物議を醸しています。(こちらの記事参照)

瓶に詰められた土が、中には5千円で取引されているとか。運営主体であるメルカリ側は「規定には違反しておらず、出品は禁止していない」としています。

また、全国高校野球選手権大会の大会本部は「コメントする立場にない」との見解を示しているそうです。

メルカリでは、以前に紙幣が出品されたり、いろいろと話題になりますね。今回の「甲子園の土」はどうなんでしょう?

甲子園は、高校球児にとって聖地のようなものでしょう。そのグランドに立つために、厳しい練習に耐え、地方大会で勝ち上がる必要があります。

そして、やっと甲子園の土を踏んでも、最後に残るのは1校だけ。その他の数十チームは敗戦という結果に涙を飲むわけです。

そんな彼らの汗と涙が染みこんだ甲子園の土を持って帰れるのは、参加チームだけです。

過去甲子園に出場したのに、土を持ち帰れなかった事件

それは、沖縄首里高校にまつわる事件です。沖縄が米国から日本に返還されたのは1972年 (昭和47年) のことです。

その14年前、沖縄がまだアメリカの占領下、統治下にあった頃です。1958年 (昭和33年) 夏の甲子園は、40回の記念大会を迎え、史上初めて沖縄が加わった47都道府県の代表校で開催されました。

この時、沖縄代表として甲子園出場を果たしたのが首里高校です。今でこそ、沖縄高校野球のレベルは高いですが、当時は本土の学校と比較して、まだまだのようでした。

それでも首里高校は、初戦で大善戦し、惜しくも1-3で敗退しましたが、その素晴らしい試合ぶりに観客も感動したそうです。

既に甲子園の土を持ち帰るのが恒例となっていた当時、首里高校も選手たちは当然土を試合後に集め、母校に持ち帰ろうとしました。

しかし、首里高校が沖縄に戻ると、そこはアメリカの統治下であり、「甲子園の土」は外国の土である、という判断を下されてしまいます。

アメリカの法律では、外国の土を国内に持ち込むことは禁止されていて、なんと首里高校に土を持ち帰る許可は下りませんでした。

せっかく持ち帰った思い出のたくさん詰まった土は、無情にも全て海に捨てられてしまいました…

甲子園出場という目標だけのために毎日切磋琢磨し、その出場の喜びを勝ち取り、夢にまで見た舞台で試合をし、「生涯」の思い出としてささやかな土を持ち帰ったら、冷酷非情にもそれを認めなかった当局。

この小さな事件は、日本全国に大きな波紋を呼び、後世まで語り継がれることになりました。これをきっかけに「甲子園の土」の価値、重み、意味が飛躍的に増していくこととなりました。

そんな首里高校事件も、時の流れと共に風化してしまったのでしょう。今や手軽に個人間売買ができるメルカリという仕組みが登場し、そこで甲子園の土 (どこまで本物か不明) を売ってお気軽に小遣い稼ぎをする人たちが登場したわけです。

ルール違反ではないとはいえ、褒められた行為とは思えません。如何でしょうか?

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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!

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(2018.8.18記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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