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さて、「今日の一言メモ」第53回です。
巧遅は拙速に如かず、の場面多し
ビジネス社会では、スピードと正確さは当然求められます。会社勤めしていれば、上司や他部門から資料作成を頼まれる場面などしょっちゅうあるでしょう。
その時に、張り切って立派な資料を作りたくなったりします。すると、手書きメモ程度でいいものを、Wordで、いやPowerPointで数枚のスライドにしてしまったりします。
すると、当然時間がかかり、相手を待たせてしまいます。相手は、まだかまだかとイライラすることになります。
こういう時は「巧遅は拙速に如かず」という言葉を思い出せるといいのですが…
「巧遅」とは、出来は良いが仕上がりまでが遅いという意味で、「拙速」とは、出来は良くないが仕事が早いという意味です。
場合によっては、ぐずぐずしているより、上手でなくとも迅速に物事を進めるべきだという教えですね。
手段を目的化しない
なぜ、こんなことが起きるかというと、資料を作る目的は別にあるのに、頼まれた方は資料を作ること自体が目的になってしまうからです。
つまり、資料作りを頼んだ上司や他部門は、その資料に基づいてある意思決定を行うつもりだったはずです。そして、その意思決定をするために、判断材料となる資料を早く欲しかったはずです。
であれば、この場合、作成する資料がどのように使われるか理解し、どの程度のスピードと正確さで仕上げなければならないか、間違わずに把握する必要があります。
この資料作りは、単なる一例ですが、こうした「手段が目的化してしまう」例はいくらでもあります。
会社で中堅社員研修が行われるとします。主催は人事部です。すると人事部は研修を滞りなく実施することが目的になりがちです。そして、研修を実施したことを部の実績と勘違いしてしまいます。
本当の目的は、研修を実施することで中堅社員のレベルアップを図ることです。もし、研修実施の前と後で、大してレベルアップしていないのなら、それは研修にかかった費用だけ無駄だったとも言えます。
かように、手段を目的化してしまう過ちは後を絶ちません。人間何かをやったら、仕事をした気になります。
でも、何かをやったことで、どんな成果を得たのか、常に考えていないといけません。そうしないと「手術は成功した。だが、患者は死んだ。」というようなことが起きるかもしれないのです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.3.3記)