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さて、「今日の一言メモ」第501回です。
「始めは処女の如く後は脱兎の如し」
始めは処女の如く後は脱兎の如しとは、始めは弱々しく見せかけて敵を油断させ、あとで一気に素早く攻撃するという意味です。また、始めはたいしたことはないが、あとで一気に実力を発揮することの例えでもあります。
「脱兎」とは、逃げていくウサギのことで、非常に速いものの例えです。始めは処女のように物静かな行動をし、あとで逃げる兎のように素早く行動するという意味です。
孫子の兵法の一つで、『孫子・九地』に「始めは処女の如く、敵人戸を開く。後は脱兎の如く、敵拒ぐに及ばず(始めは処女のように慎み深く、後は脱兎のように素早く攻撃すれば、敵は防御できない)」とあるのに基づくそうです。
なので、始めのうちはおとなしいが、後から乱暴になるという意味で使うのは誤りです。
最初は素直に、あとから大胆に
武道や芸能などの世界では「守破離」という言葉があります。
「守」
最初の段階では、指導者の話を守る。
できるだけ多くの話を聞き、指導者の行動を見習って、指導者の価値観を自分のものにしていく。
すべてを習得できたと感じるまでは、指導者の指導の通りの行動する。
「破」
次の段階で、指導者の話しを守るだけではなく、破る行為をしてみる。
自分独自に工夫して、指導者の話になかった方法を試してみる。
「離」
最後の段階では、指導者のもとから離れて、自分自身で学んだ内容をさらに発展させる。
分かりやすく言うと、まず、マネをして、次に自分のオリジナルを混ぜてみて、最後に新しいものをつくっていくという意味になります。
これは、別に武道や芸能の世界だけでなく、どんな世界でも通用し、応用できる考え方です。
「急がば回れ」
何事も基礎がなければ応用もできません。その基礎固めの時期は、短くても数年は必要だと思います。
ビジネスの世界でも、学校で卒業してすぐに、どんなに優れたアイデアを基に起業したとしても、経理や財務、総務的な基礎を知らなければ経営は難しいでしょう。なので、できればそれなりの企業に就職して、少なくとも数年間は実務を経験した方が良いと考えています。
その上で、自分なりに考えてきた創意工夫を生かしたビジネスを興していくと、成功する確率は高まると思います。「急がば回れ」ですね。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.8.11記)