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さて、「今日の一言メモ」第539回です。
「治に居て乱を忘れず」
「治に居て乱を忘れず」とは、平和な世にいても、万一のときに備えることを怠らないという教えです。
世の中が良く治まって平和なときでも、常に乱世になったときのことを考えて準備を怠ってはいけないという意味です。
『易経・繁辞伝』に孔子の言葉として「是の故に君子は安くして危うきを忘れず、治にして乱を忘れず(君子は安全だと思っても危険ではないかと用心し、平和であっても乱れるのではないかと用心する)」とあるのに基づくそうです。
喉元過ぎても熱さを忘れない
忘れるといえば「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉がありますね。苦しいことも過ぎてしまえば、その苦しさやお世話になった人の恩も簡単に忘れてしまうという意味です。
現在、刻々と台風12号が本州を目指して進んでいます。九州に大きな被害をもたらした台風9号、10号に比べて勢力は弱いようですが、それでも大雨の被害が懸念されています。
こうした自然災害も過ぎ去ってしまえば、忘れたくなるのが人情です。でも、注意を怠らないようにしたいものです。
忘れそうといえば……
ともすれば忘れそうになるのが、僕の場合、昨年(2019年)の課題に設定し達成したはずのテーマです。それは「『相対的な欲』の断捨離を進める」というものでした。
どういうことかというと、かいつまんで要約すると次の通りです。
- 人には2つの欲があり、1つは「相対的な欲」(=1日も早く手に入れたい!) であり、もう1つは「絶対的な欲」 (=1日も早く始めたい!) ということ
- 「相対的な欲」とは、他人との比較によって生まれた欲であり、地位や名誉、名声、金銭などに対する欲は、他人と比べて自分に不足していると感じている時に起きる
- 一方、「絶対的な欲」は、誰かと比べたからではなく、自分の中だけから自然と生まれてくるものであり、不足感は伴っていない。この欲は、単純にそれが好きだから手に入れたいし、それがやってみたいからできるようになりたいだけ
- 「相対的な欲の断捨離」を進めるためには、自分がゴールや目標として設定している事柄を客観的に見て、それらが「相対的な欲」と「絶対的な欲」のどちらから生まれたのかを確認することが必要
去年一年間かけて「他人と比べて自分に不足していると感じているもの」に欲を感じないようにしたつもりなのですが、ふと気づくと人のことを見て「いいなぁ〜……」と感じている自分がいます。
もちろんその思いが自分を「よしっ!」と奮い立たせるモチベーションになればいいのですが、時として余計な欲につながりそうな時があります。
やはりそうなった時は、その欲が相対的なものなのか、絶対的なものなのか、しっかり自問自答していきたいと改めて思う次第です。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.9.23記)