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さて、「今日の一言メモ」第660回です。
「刎頸の交わり」
「刎頸の交わり」(ふんけいのまじわり)とは、きわめて親密な付き合いの例えです。その友人のためなら首をはねられても悔いはないと思うほどの、親しい交わりを指しています。
古代中国の春秋時代にあった次の故事に基づいています。
趙の将軍廉頗は、功績により自分より上位になった名臣藺相如を恨んだ。しかし相如は二人が争いにより共倒れになることを懸念し、国のために争いを避けるつもりでいることを聞いた。それを聞いて廉頗は自分の考えを恥じ、深く反省し、相如へわびに出かけて刎頸の交わりを結んだという。
廉頗と藺相如がかたい友情を結ぶまでには紆余曲折があり、素晴らしい友というのは一朝一夕で得られるものではないことも表しています。
最終的に人が幸せになるには、よい人間関係を持つこと
ハーバード大学の研究グループが75年間にわたり研究したテーマがあります。それは「最終的に人が幸せになるには何が重要なのか」です。(こちらの記事参照)
この研究グループの4代目リーダーが、研究の結果明らかになった「幸福になるための重要な3つの教訓」をTEDで語っています。
1938年に始まったこの研究では、724人の被験者に対して2年ごとに「人生で何が起こっているのか」を聞き取り調査し、75年間にわたって得た膨大なデータから一つの研究結果を導き出しています。
被験者の724人は、75年間でさまざまな人生を過ごし、発表時点で生きていたのは60人だそうです。そして、幸せになるために最も重要なことは、富でも地位でも名声でもないという調査結果が得られました。
人にとって最も重要なのは、50代の時の人間関係で、この時の人間関係に満足している人は80代になった時に健康だったそうです。
50代の時のコレストロールの値で、80代の時の健康状態を測ることはできませんが、人間関係の満足度では予測できるとされています。
人間関係における3つの教訓
さらに、人間関係において3つの教訓があるそうです。
1. 社会的なつながりは我々にとって重要で、孤独は人を殺す
2. 友人の数や関係の有無でなく、関係の『質』が大切
3. よい関係は人の体を守るだけではなく、脳をも守ってくれる
それぞれの意味については、YouTubeにアップされているTEDの発表でご確認頂きたいのですが、「自分は幸せだ」と感じる人は、家族や友人、コミュニティーなどと良好な関係を持ってきた人だということです。
親密な人間関係は健康や幸福をもたらす
ハーバード大学の研究グループが、75年間という長期にわたり被験者達の人生を見つめ続け、そして纏めた研究結果には強い説得力があります。こんな長期に亘って、多くの被験者を観測し続けた研究は、他に類を見ないそうです。
健康を保ち幸福になるために最も重要なことは、富や地位や名声を得ることではなく、良好な人間関係であることだと改めて合点がいきました。
でも、「親密な人間関係は健康や幸福をもたらす」という結論は、驚くべき結果ではありません。ただ、人間関係というのはとても複雑です。良好な関係を築くことも、またそれを維持することも不断の努力が必要です。
信頼関係を築くには長い時間が必要ですが、それが崩れ去るのは一瞬です。
時として人間関係に悩み、その軋轢に耐えかねて、他人と距離を置いたり、引き籠もりになったりすることもあるでしょう。でも、自分が健康を保ち幸せになりたいと思うのなら、そうした人間関係の複雑さとしっかり向き合うことも必要です。
・・・というわけで、家族・友人・コミュニティメンバーが最大の財産だとしっかり認識して、その財産を大切にしていきたいと改めて思った次第です。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2021.2.4記)