(画像出典元はこちら)
さて、「今日の一言メモ」第756回です。
「文は人なり」
「文は人なり」とは、文章は筆者の思想や人柄が表されているので、文章を見れば書き手の人となりが判断できるという意味です。
フランスの博物学者ビュフォンが、1753年(宝暦3年)、アカデミーフランセーズの入会演説で言った言葉とされています。
「あなたが好きです」というのは最悪な言葉
昭和の時代に、数多くの名曲の作詞を手掛けた放送作家でタレントの永六輔さんが亡くなられて5年が経ちます。享年83歳でした。
永六輔さんは、ラジオ番組パーソナリティ、タレント、随筆家、放送作家、作詞家として、多彩な活動をされた方です。
作詞家としては、第1回日本レコード大賞を受賞した「黒い花びら」をはじめ、「こんにちは赤ちゃん」などのヒット曲を数多く世に出しました。
特に、1961年 (昭和36年) に坂本九さんが唄って大ヒットした「上を向いて歩こう」は、アメリカで『スキヤキ・ソング』とタイトルを変え、『ビルボード』のウィークリーチャート (Hot100) で3週連続1位に輝くという金字塔を打ち立てました。
その永六輔さんが電話相談を行うラジオ番組のパーソナリティをしていたとき、一人の女の子(小学校6年生)の質問に対する回答が記憶に残っています。
それは、次のような内容です。
【女の子からの質問】
「好きな人に告白する言葉を教えて」
【回答 (一部抜粋) 】
「好きです、嫌いです」という言葉ではなく、いい言葉を使っている子は好きになれる。「あの人ならこの言葉は好きだろうな」と思った言葉を何気なく使っているときの方がドキンとします。「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。
きれいな言葉を使いあうこと、きれいなことに感動すること、ふたりで声をそろえて感動してください。
永六輔さんは、『「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。』と、はっきり小学校6年生の女の子に言っています。なかなか言えない言葉だと思います。
この言葉は、永六輔さんの人となりをよく表していると思います。
「月が綺麗ですね」
永六輔さんのエピソードを思い返すと、夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したのを連想します。
そして、永六輔さんと同じ83歳で死去した、俳優の高倉健さんが「座右の銘」とされていた次の言葉も高倉健さんの人となりをよく表していると思います。
【 往く道は精進にして、忍びて終わり、悔いなし 】
辛いことがあっても、それは精進である。
自分を高めるために必要なことなのだ。
それを我慢したまま、たとえそれで終わる
ことがあっても、自分の向上にとっては
確実にためになっているのだから悔いはない。
これは、僕にとって自分の生きる方向を指し示してくれた言葉でした。いつかは、自分の人となりをきちんと表す言葉を探し当てたいものです。
・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
・・・・・・・・・・・・
(2021.7.13記)