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さて、『今日の一言メモ』第885回です。
「良薬は口に苦し」
「良薬は口に苦し」とは、よく効く薬が苦いように身のためになる忠告は素直に受け入れにくいという意味です。
『孔子家語(こうしけご)』には、孔子の言葉で「良薬は口に苦けれども病に利あり。忠言は耳に逆らえども行いに利あり(良薬は苦いが飲めば病気を治してくれる。忠言は聞きづらいが、行動のためになる)」とあります。
これに基づいて、「忠言耳に逆らう」ということわざもあります。これは、真心を込めていさめる言葉や忠告は、聞く側にとってはつらいものだから、なかなか素直に受け入れられないものだという意味です。
耳に痛い言葉を聞かなくなって感じる危機感
以前勤めていた会社をアーリーリタイアメントしたのが、今から11年前……。会社員時代は、年齢と共に聞く機会は減ったものの、親身に忠告してくれる人がいました。時には、耳に痛いこともありました。
でも、その時は感情的に反発しても、時間が経って冷静に振り返れば「なるほど」と肯けることが多かったように思います。
それが、会社を辞めてフリーランスとして独立してから、そういった耳に痛い言葉を聞ける機会がとんと減りました。
高額の個人コンサルを受けたりした時には、手厳しい言葉を浴びせられたりしましたが、それはそれで当然のことです。時として、プライドをズタズタにされるようなこともありましたが。
でも、そうした機会を除くと、それとなくやんわり意見されることはありましたが、耳に痛い言葉はなかなか聞くことができなくなりました。そして、こうした状況に危機感を覚えました。
では、どうするか?
どんなに活躍しているプロスポーツ選手でも、やはりコーチは必要です。客観的に自分のプレーを見てくれて、アドバイスしてくれる存在は必須です。でも、個人事業主として働いている身分では、専属のコーチをお願いする余裕などありません。
では、どうするか?我と我が身を映す鏡を用意して、日々その鏡に問いかけることしかありません。その鏡には、自分がロールモデルとしている人の生き方や考え方を映し出し、自分と照らし合わせて、自分に足りないところ、欠けているところを見つけ出すのです。
あるいは、尊敬する人が残した言葉を反芻して、自分の体内に取り入れることに努めたりします。でも、自分が不完全であると自覚する「謙虚さ」は必要ですが、必要以上に「自己否定」することは逆効果でしょう。
まず「自己受容」が先、そのあと「自己肯定」感を増す努力をする
「自己否定」は、できていない、やれていない自分をマイナス評価することです。そして、一度自己否定に陥ると、それは負のスパイラルへと続いていきます。
まず、その前にあるがままの自分を素直に冷静に淡々と受け入れるのです。それが「自己受容」です。「自己受容」に評価は不要です。そして、事実だけを見つめたら、次にできていることとできていないことをリストアップします。
「できていない自分はダメだ」という評価はタブーです。一旦そう思うと負のスパイラル行きです。
できていることリストを見直すと、結構できている自分を再発見します。それは「自己肯定」感に繋がります。
そして、できていないことリストを見直すと、努力すればキャッチアップできそうなことと、逆立ちしたってキャッチアップできそうにないことを分別できるでしょう。
キャッチアップできそうなことは粛々とその方法を考え実行します。できそうもないことは潔く諦めるか、人に頼ることを考えます。
そうしてキャッチアップできたことが増えれば「自己肯定」感が増すでしょう。自分には無理なことをいつまでもクヨクヨと考えて「自己否定」感ばかり増幅させないようにすることが肝要だと思います。
人間は、所詮「できないこと」の方が圧倒的に多いのです。だから、自分に「できること」を少しでも磨いていければそれで十分なのです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.4.12記)