人が書物を紐解き、内面に広がる思いに思索を深め、ふと他の人がどう感じるか聞きたくなった時、その問いかけに富田がどんな短文で応えたのか、シリーズでご紹介している今日は20回目。
問いかけの内容は、社会人版キムゼミ1期生が「書評ワーク」という活動でアップした投稿。今日の問いかけは「さまざまな障害、困難の為に実らなかった恋はありますか?」等です。
ゼミ生の投稿
I.Sさんの【書評ワーク】
書名: 『朗読者』
≪議論したい内容≫
愛とは何か、そして善とは、悪とは何かということを考えさせられる一冊。
本書の主人公、愛し合うミヒャエルとハンナには障害がたくさんありすぎた。
歳の差、家族からの反対、身分の違い、ハンナの過去の影。。。しかし、二人が過ごしたたった数ヶ月の幸せな時間は何ものにも代えがたい大切な時間となり、お互いの存在はいつまでも忘れられないものとなった。
・・・・・・・(中略)・・・・・・・
さまざまな障害、困難の為に実らなかった恋はありますか?
愛する人だからこそプライドを持って、見せない自分、見せない過去などはありますか?
自らの善悪の判断は、世の中の流れでシェーピングされている部分は多いと思います。(例えば、奴隷制度やユダヤ人の大量虐殺が正しいことだと考えられていた時代の人々)そのような、外的な影響を受けて善悪の判断が鈍る事はありますか?
よろしくお願い致します。
富田のコメント
>> さまざまな障害、困難の為に実らなかった恋はありますか?
思い起こせば、実らなかった恋は全て失恋でしたね。原因はひとえに我が身の未熟さであり身勝手さであったと思います。そういった意味では、時代が思いを寄せ合う二人を引き裂くといったようなことはなかったので、幸せな時代に生きられたとも言えます。
>> 愛する人だからこそプライドを持って、見せない自分、見せない過去などはありますか?
「プライドを持って、見せない自分、見せない過去」というより「恥ずかしくて、見せられない自分、見せられない過去」はいっぱいあります。そういった意味では、脳天気な人間に育ったとも言えます。(^^;
>> 自らの善悪の判断は、世の中の流れでシェーピングされている部分は多いと思います。(例えば、奴隷制度やユダヤ人の大量虐殺が正しいことだと考えられていた時代の人々)そのような、外的な影響を受けて善悪の判断が鈍る事はありますか?
過去、自民党一党支配の時代は、共産党に投票するのは論外であるし、社会党は与党に反対ばかりしていてちっとも対案をださないし、だから消去法で自民党に投票するのは仕方が無い、という世の風潮がありましたね。
また、現在TPPの問題がクローズアップされていますが、日本ではある特定集団に象徴されるように「何が何でも反対だ。反対の方針に賛同しない者は仲間ではない。」という風に昔の日本の村社会の論理を未だに引きずっていることもありますね。
まあ、某国の思想教育に見られるようなことは日本にないので、外的な影響を受けて善悪の判断に多少の影響を受ける事はあっても、気を付けていれば「鈍る」事はないような気がしてます。(^_^)
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さて、皆さんならどのようにコメントしますか?
そして、次回の「書評ワーク」の対象図書は以下になります。ではまた!
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(2013.11.28記)