前回は、電子書籍の日本での黎明期である2010年以降、富田がどのような変遷を経て現在に至ったか、ざっと振り返ってみました。
今回は、2011年に初めて手にした電子書籍端末のSHARP製メディアタブレット「GALAPAGOS」5.5インチモデルについて懐かしく思い出してみました。
電子書籍(端末)の誕生
本題に入る前に、少し電子書籍に関する歴史を紐解いてみましょう。Wikipediaによると、電子書籍という考え方は古くから存在したとのことです。その一部を引用します。
新聞・雑誌・書籍という従来型の出版形態に代わって携帯型の電子装置の表示画面でこれらを読むという考えは古くから存在し、1990年から小型の専用機器が販売され、電子書籍の普及に向けた事業がはじまった。
最初の電子書籍用リーダーは1990年に発売された8cm CD-ROMを記録メディアに使った日本のソニー製電子ブックプレイヤー「データディスクマン」である。
その後、1993年にNECが3.5インチ・フロッピー・ディスクを使用した「デジタルブックプレーヤー」を発売した。5.6型モノクロ液晶画面と数個のボタンで操作する点はサイズなど含めて今日のAmazon Kindleと似た形態だった。
その後、インターネットの普及と共に、テキストファイルによるコンテンツの提供が青空文庫などで著作権切れ作品の有志によるテキスト化や著作者自身によるネット上での配布も行われてきました。
また、携帯電話の普及で携帯コミックが若者に支持されたのも記憶に新しいです。その後、松下電器産業(現Panasonic)のシグマブック・ワーズギアやSONYのリブリエ等を経て、2010年になってSONYの「Reader」、SHARPの「GALAPAGOS」が登場することになります。
富田は、発売開始された当時、店頭でReaderを触ったのですが、白黒だったことや、ページ送り・文字表示の遅さにより購入を見送り、2011年に入って、GALAPAGOSの5.5インチモデルを購入したのでした。
余談ですが、ガラパゴスという名称については色々と議論がありました。当時、携帯電話におけるガラパゴス化現象が言われていて、これは日本市場向け携帯電話が閉鎖的な環境で特異な形に進化してしまったために、日本国外の市場では通用しないものになってしまった状況を揶揄するものでした。
それを端末の名称に用いた命名は自虐的なものであるとも受け取られたのです。実際、その後の展開はあまりうまくいきませんでした。(^^;
GALAPAGOS 5.5インチモデルの使用感
当初、製品は発売されたものの、日本全国の量販店で店頭展示はされたものの、直接の購入はできず店頭で申し込むか、シャープ直営のオンラインストアで購入するしかできないという、首を傾げるような販売手法でした。富田は、シャープのオンラインストアで10.8インチモデルではなく、5.5インチモデルの赤を選択して購入したのです。
当時のモデルの仕様(の一部)を、SHARPの製品ホームページから引用させて貰いましょう。
どうでしょうか?220gという軽さと薄さは、なかなかのものです。
OSはシャープ独自のもので、電子書籍の閲覧とブラウザ機能を備える程度でしたが、後にAndroidを搭載するようになります。
さてさて、その使用感ですが纏めると以下の通りでしょうか。まさしく普及初期のモデルという感じです。
- 薄くて軽くて、持ち歩きに便利
- 液晶は流石に綺麗
- ホームキー・バックキーに加えてトラックボールを搭載しているが、操作性は今一つ
- 動作がモッサリしている
- バッテリの保ちが悪い (カタログ表示の7時間は到底もたない)
- 電子書籍の販売を行う「GALAPAGOS STORE」の品揃えがなかなか充実しない
ということで、自分で裁断しスキャン(自炊)したPDFファイルをmicroSDカードにコピーして閲覧しようとしたのですが、5.5インチのサイズでは表示される文字が小さすぎて、元が文庫本であってもチト難儀でした。
そうこうしているうちに、表示スピードの遅さとバッテリの保ちの悪さも相俟って、徐々に使用頻度が少なくなっていったのでした。
そして、富田の電子書籍端末巡りの第2章は、Android版7インチタブレットモデルへと移っていきます。
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さて、今日はここまで。続きは次回にしますね。
ではまた!(^_^)
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(2014.2.19記)