さて、夢の実現に向けた行動を阻む「1日24時間の壁」。足りない時間をどのように工夫するのか、あれこれ試行錯誤している時、つい先日出版された本「なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?」を読みました。
前回まで3回続けて、その内容をご紹介してきました。今日は、本書の第4章について書いてみたいと思います。
どうして先送りを繰り返すのか
著者の佐々木さんは、本章の冒頭で「認知リソース」という言葉を使って「仕事」を説明しています。
「仕事とは、認知リソースを消費して、生産を上げること」
「ライフハック心理学」を主宰している佐々木さんは、当然心理学に造詣が深い方です。調べてみたら、次のような記事をアップされてました。
認知リソース | ライフハック心理学
本章では、まず以下が書かれています。
「認知リソース」は朝がマックスで、夜に最低になり、睡眠でしか回復しない。
だから、朝一番で難しい仕事や時間のかかる仕事に取り組むことが、もっとも時間を節約できる。
朝はエンジンがかかっていないので、とりあえずメールチェックやSNSをやろう、というのは、最も時間を非効率に使うことに繋がる。
つまり、本来朝一番に取り組むべきことを、午後に夕方に先送りし、夕方には認知リソースが不足して疲れてしまい、翌日に先送りしてしまう。
こうして、先送りがなくならないのですね。
チェックリストをレシピにする
本章を読んで、一番触発されたのは「チェックリストのレシピ化」です。なるほど、発想の転換です。
レシピとは一般に、料理の作り方をまとめたものですが、チェックリストとの違いを本書では次のように挙げています。
- チェックリストでは、順番はあまり問題にならない。また、かかる時間はほぼ問題とされない。
- レシピは、順番が大事で、かかる時間も大事。
人生で一度しかやらない仕事なら、レシピにする意味はないかもしれませんが、ほとんどの仕事は毎日、毎月、毎年繰り返して取り組むことですよね。
だったら、仕事のチェックリストを作るより、進める順番とどの程度の時間が必要か書かれたレシピがあれば、それが即ちマニュアルになるわけです。
佐々木さんは、ご自身の「書籍原稿を書くためのレシピ」を次のように紹介されています。
このレシピがあれば、疲れていて原稿を書く気になかなかなれなくても、冒頭の二つの作業は「0分」で終わることが自明ですから、「明日やろうか」と先送りするのではなく、「とりあえず、この二つは今やるか」と気持ちが切り替わるそうです。
そして、ほんとうにやりたくないのは「文章を書く」ことであって、それまでにかなりの行程がありますから、その行程を進むうちにエンジンがかかってくるかもしれませんね。
富田の経験上も、先送りしたくなるものは、とにかく5分間だけ作業する、という対策は有効です。5分間やってダメなら、その時にはじめて先送りとします。
でも、5分間だけと決めて始めると、不思議なもので多くの場合、もっとできるようになるのです。
「繰り返しタスク」を増やせば、先送りは自然と減る
以前、佐々木さんのセミナーを受講したときに、「自分の中にロボットを育てる」ということをお聞きしました。
本章では「先送りしたくなるのは、ロボットが育っていないからだ」と書かれています。
「ロボット」とは、自分の身についている自動化された行動、といっていいでしょうか。
朝、歯磨きする時は、どんなに寝ぼけていても、歯ブラシに歯磨きをつけて、歯ブラシを口に入れて歯を磨きますよね。
間違っても、歯磨きを鼻の穴に突っ込むことはないでしょう。これは、長年繰り返してきたことで「歯磨きロボット」が自分の中に完成しているからです。
本書に書かれている「タスクシュート式」の時間管理を支える重要なツールが「TaskChute2」です。その機能の一つに、このロボットを意欲的に育て上げる機能があるそうです。
リピートタスクを実行すると、TaskChute2は「同じタスクをいつやるか」尋ねてきます。ただ「OK」を選択すれば、翌日同じタスクが生成されます。
こうして同じタスクを繰り返すほど、そのタスクはますますうまく、高速に、容易に処理できるようになるわけです。こうなると、先送りなどしたくなくなるでしょうね。
育った「ブログ更新ロボット」
富田は、他の仲間と共に元旦からブログを毎日更新しているわけですが、今日で113日目になります。自分の中に「ブログ更新ロボット」が育ってきたことを感じています。
毎日更新を始めてから、ブログ記事作成を朝一番のタスクに置きました。ブログ記事を作成しないかぎり、次のタスクに進めないルールにしたのです。
本書を読む以前から、期せずして「認知リソース」がマックスの朝にブログ記事を作成してきたのですね。
朝寝坊したら大変ですから、パッと起きるようになりました。最初は、毎日記事を書くのに四苦八苦していましたが、最近はそれほど苦労せずに記事を書けるようになりました。ついつい記事が長くなってしまうのが玉にキズですが…
習慣化というのは、ロボットを作ること。これから歳を取ってボケても、自然と身体が動くようなロボットをたくさん作っていきたいものです。
でも、ボケるということは、折角作ってきたロボットが初期化されるということかな…(^^;
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さて、今日も長くなってしまいました。続きは、第5章の「脱・完璧主義の考え方」です。
ではまた!(^_^)
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(2014.4.23記)