「今日は何の日?」シリーズ107回目です。
今から33年前の1981年11月13日、沖縄本島の与那覇岳で日本において約100年ぶりに新種の鳥が発見され、「ヤンバルクイナ」と命名されました。
天然記念物も絶滅危惧種に
この名前がつけられた由来は、沖縄本島北部をヤンバル(山原)と呼び、そこで発見されたクイナ科の鳥ということです。
日本では、1982年に国指定の天然記念物に、1993年には種の保存法施行に伴い、国内希少野生動植物種に指定されているそうです。
しかし、推定生息数は年々減少していて、近い将来の絶滅が予想されているとか。
生物のある種が絶滅すること自体は、地球の生命の歴史においては無数に起きてきた事象です。
しかし、人間の経済活動がかつてないほど増大した現代において、人間活動が生物環境に与える影響は無視できないほど大きく、それによる種の絶滅も発生してきています。
ヤンバルクイナも例外ではありません。
開発による生息地の破壊および分断、交通事故、側溝への雛の滑落、人為的に移入されたマングースによる捕食などが原因で、生息数が減少しているといわれています。
野生生物の絶滅は、これからの社会のあり方にも深く影響するに違いありません。地球温暖化と合わせ、自然の生態系を破壊する人間の経済活動は、短い間に地球の姿を大きく変えてしまいました。
現在の日本では、政府の方針として、原発存続・再稼働が前提になっていますが、本当に必要なのでしょうか。
将来の子孫達に少しでも自然豊かな地球を残していくためには、私たちのライフスタイルも見直し、少々の不便も我慢して暮らしていく知恵が必要になってきていると考えます。
ヤンバルクイナの発見、そしてブーム到来
さて、折角なので発見の経緯などから調べてみました。
1981年に発見される数年前から、研究者達は沖縄本島北部に位置する山原 (やんばる) 地域で種不明のクイナ類を目撃していたそうです。
そして、1981年に調査を行った際に、2羽を捕獲し、同時に入手した1羽の死体とあわせて検討した結果、学界に未知の新種であることが判明しました。
同年末に、和名をヤンバルクイナ、学名をRallus okinawaeとして新種の記載論文が発表されています。
ヤンバルクイナの発見は、沖縄においても大きく取り上げられ、その目立つ姿も手伝って大変話題となったそうです。
1987年の沖縄・海邦国体では、マスコットキャラクターのクィクィとして用いられました。切手のデザインにも登場しています。
また、これに前後してヤンバルテナガコガネが発見されたことも手伝って、沖縄はいわば新種ブームのようなものが起こりました。
当時、全日本ライトフライ級のプロボクサー渡嘉敷勝男は所属ジムの会長から「ヤンバルクイナ」の通称をつけられて活躍するなど、多くの場所でヤンバルクイナの名前が使用されたとか。
本種があまりに有名になったので、沖縄の県鳥だと思っている人も多いらしいですが、県鳥はノグチゲラです。
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さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2014.11.13記)