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12月8日は、冗談から銀行預金の取り付け騒ぎが起こった日 - 不用意にデマの拡散をしないように注意を –

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さて、「今日は何の日?」シリーズ第125回をお送りします。

今から41年前の1973年12月8日に、女子高校生間の雑談で交わされた冗談がきっかけで、それが伝言ゲームと化し「豊川信用金庫事件」と呼ばれる銀行預金取り付け騒ぎが発生しました。

事件の経緯

事の経緯を、Wikipediaから引用させてもらいます。

豊川信用金庫

1973年12月8日、下校中の電車内で、豊川信用金庫に就職が決まった女子高校生Aを、友人B・Cが「信用金庫は危ないよ」とからかう。

この発言は同信金の経営状態を指したものではなく、「信用金庫は強盗が入ることがあるので危険」の意味で、それすら冗談であったがAは真に受けた。

その夜、Aから「信用金庫は危ないのか?」と尋ねられた親戚Dは、信用金庫を豊川信金だと判断して同信金本店の近くに住む親戚Eに「豊川信金は危ないのか?」と電話で問い合わせた。

9日、Eは美容院のFに、「豊川信金は危ないらしい」と話した。

10日、Fが親戚Gにこの話をした際、居合わせたクリーニング業Hの耳に入り、彼の妻Iに伝わる。

11日、小坂井町の主婦らの間で豊川信金の噂が話題となり、通りがかりの住民の耳にも入る。この頃、噂は「豊川信金は危ない」と断定調になる。

12日、街の至るところで、豊川信金の噂の話題が持ちきりとなる。

13日、Hの店で電話を借りたJが「豊川信金から120万円おろせ」と電話の相手に指示した。Jは噂を全く知らず、ただ仕事の支払いで金を下ろす指示をしただけだったが、これを聞いたIは同信金が倒産するので預金をおろそうとしていると勘違いし、慌てて同信金から180万円をおろした。

その後、H・Iは知人にこの話を喧伝、これを聞いたアマチュア無線愛好家が、無線を用いて噂を広範囲に広める。

この後、同信金窓口に殺到した預金者59人により約5000万円が引き出される。

同信金小坂井支店に客を運んだタクシー運転手の証言によると、昼頃に乗せた客は「同信金が危ないらしい」、14:30の客は「危ない」、16:30頃の客は「潰れる」、夜の客は「明日はもうあそこのシャッターは上がるまい」と時間が経つにつれて噂は誇張されていく。

14日、事態の収拾のため、同信金が出した声明が曲解され、パニックに拍車が掛かる。その後、「職員の使い込みが原因」、「理事長が自殺」という二次デマが発生し、事態は深刻化する。

信金側の依頼を受け、マスコミ各社は14日の夕方から15日朝にかけて、デマであることを報道し騒動の沈静化を図る(新聞の見出し:「デマ、5000人を走らせる」・「デマで取り付け騒ぎ」)。

15日、大蔵省東海財務局長と日本銀行名古屋支店長が連名で同信金の経営保障をする。自殺したと噂された理事長自らが窓口対応に立ったことも奏功し、事態は沈静化に向かう。

16日、警察がデマの伝播ルートを解明し、発表する。

・・・と、こうして冗談から噂 (デマ) になったことで、取り付け騒ぎが発生し、最終的には短期間に約26億円もの預貯金が引き出されるという事件に発展してしまったのです。

伝言ゲームからパニックが起きる恐さ

事件が発生した1973年当時は、オイルショックによる不景気という社会不安があり、10月にはトイレットペーパーがなくなるというデマにより買い占め騒動が発生したりと、デマが流れやすい下地がありました。

こうしたデマが伝言ゲーム方式で伝わる恐さは、多くが「他の人に教えてあげなくちゃ」という善意によるものだからです。

善意と分かっていて伝えられたものは、更に尾ヒレがついて広がりやすいですものね。

現在では、TwitterやFacebookなどSNSの発展・普及により、昔の口コミに比べると爆発的な拡散力があります。もし「○○銀行が危ない」という噂が立ったら、一つの街どころか日本中、世界中に瞬く間に広がってしまいます。

東日本大震災の時も、多くのデマがチェーンメールやSNSで拡散されました。

「うがい薬などを飲めば、放射能汚染から予防できる」とか「コスモ石油の爆発により有害物質の雨が降るので注意」といった類です。

不用意に拡散しない

こうしたデマを拡散させないためには、以下のような点に注意しないといけませんね。

  • 情報拡散する前に、ニュースソースが示されているか、そのソースは信頼できるか確認する
  • 手元にチェーンメールが来ても、安易に拡散しない
  • 一旦冷静になり、本当に自分「こそ」が拡散する必要がある情報なのか考える

・・・ということで、ひとつご留意を。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2014.12.8記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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