さて、「今日は何の日?」シリーズ第126回をお送りします。
今から46年前の1968年12月9日、世界で初めてハイパーテキスト・マウスなどを実用化したコンピュータシステム「NLS」が公開されました。
「NLS」とは?
NLS(oN-Line System)は、アメリカのダグラス・エンゲルバート率いる研究者チームが、1960年代にスタンフォード研究所 (SRI) 内の Augmentation Research Center (ARC) で設計・開発した革新的なマルチユーザー連携システムです。
NLSは世界で初めて、ハイパーテキストリンク、マウス、ラスタースキャン型ディスプレイ、関連性によって組織化された情報、グラフィカルユーザインターフェース、プレゼンテーションソフトウェアなど様々なコンセプトを実用化しました。
ARPA、NASA、アメリカ空軍が資金提供していた、いわば国家的プロジェクトといえます。
エンゲルバートは、コンピュータとネットワークの開発と使用が、世界の緊急かつ複雑な問題を解決する助けになるという信念を持っていて、コンピュータと人のインターフェースを改善することに熱心に取り組んだのです。
「アルト」から「マッキントッシュ」へ
エンゲルバートの時代までは、人間の知性を拡張するというビジョンはあくまでも大人向け、しかもエリートに向けてのものでした。
その方向性を180度転換して、子供を含めた誰もがコンピューターを使えるようにするべきだという「パーソナル・コンピューター」というビジョンを示したのがアラン・ケイです。
ケイは「誰もが使えるコンピューター」を目指し、1973年に「アルト」を生みだしました。このアルトは私たちが今使っているコンピューターの原型であり、グラフィカルな操作環境をもち、キーボードとマウスを用いて操作するものでした。
この成果が、スティーブ・ジョブズが率いるアップルの「マッキントッシュ」へと引き継がれ、コンピューターがエリートだけのものではなくなり、一般化することで急速に普及してきたわけです。
今後の技術革新は?
現在、どのように進化していくのか興味深く見ているのが「ウェアラブル・コンピュータ」と呼ばれているジャンルです。
Google glass などのメガネ型、Apple watch のような腕時計型が既に実用化されていますが、まだまだこれから進化しそうです。
一方で、スマホ中毒、LINE中毒に見られるようにテクノロジーがもたらした弊害もあります。要は、使う側の人間の問題なのですが、過度な依存や使用をせずに済むような知恵と工夫も必要になりますね。
最近では、電子書籍の普及に伴って読書スタイルが変化しましたが、ここのところ本の重みや手触り、パラパラとページをめくる感触など、精神的な部分で紙の書籍に安息感のようなものを感じたりしています。
デジタルにはデジタルの、アナログにはアナログの良さがあるので、うまくバランスを取りながら使っていきたいと思います。
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さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2014.12.9記)