さて、今から28年前の1987年3月30日に、安田火災 (現・損害保険ジャパン日本興亜) がゴッホの「ひまわり」を58億円で落札しました。
バブル景気の絶頂期へ
時は、まさにバブル景気の絶頂期に向けて、日本が異常な雰囲気に包まれている時でした。
58億円で落札されたゴッホの「ひまわり」は、現在東京都新宿区の損保ジャパン日本興亜本社ビル内42階にある「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」に収蔵されているそうです。
日本のバブル景気の期間は、1986年 (昭和61年) 12月〜1991年 (平成3年) 2月までの4年3か月 (51か月) 間を指します。この期間は、株式や不動産を中心にした資産が過度に高騰し、経済が膨張しました。
日経平均株価が、1989年 (平成元年) 12月29日の大納会には、史上最高値38,957円44銭を付け、いわゆる資産価格のバブル化現象が明白になった時期です。
今から思えば、狂気ともいえる世界がそこにあったのです。
バブル景気の狂気に思うこと
先日、僕の師匠のお一人から、心理学では有名らしいS・アッシュの実験というお話しを教えてもらいました。
実験は簡単で、手元にあるロープと、同じ長さのロープを、長さが大きく異なる3本の中から選ぶというものです。
微妙な違いではなく、長さが大きく異なるわけですから、誰がやっても間違いないようのない選択です。
この実験を7人グループに対して行い、そのうち6人が芝居のうまい役者さんとします。
そして6人の役者さんが、間違いようのない選択でことごとく誤った選択をします。
そして、1人が正しい答えを言おうものなら、みんなが一斉に
「おまえは目がおかしいのか?」
「わざと間違えているのか?」
「信じられない!」
「アホじゃないか?」
という目で見るのです。その1人にしてみれば目がおかしくてアホなのは目の前の6人ですが、何しろ6対1です。
そして、その1人は段々自信を失い、とうとう「間違った答え」に合わせていってしまうというのが実験結果です。
あのバブルの時期は、冷静に考えればどう考えてもおかしい事態が起こっていたわけですが、もしそんなことを指摘すれば「おかしくてアホ」扱いされたでしょう。
企業経営でも、財テクをしない経営者は「おかしくてアホ」で無能呼ばわりされたものです。
このようについつい周りに合わせてしまうことを「同調」というそうです。
この同調から逃れるためには、一人孤立無援で立ち向かうのではなく、他に一人でも仲間を作ることが有効だとか。
会社や組織の論理に一から十まで抵抗することは不可能でしょうが、ここは譲れないという「最後の一線」をひいておくことは必要でしょうね。
あなたは、そんな立場になったら、どのように対応しますか?
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2015.3.30記)