早いもので今年も2ヶ月が経過し、今日から3月がスタート。あっという間に桜の開花便りが聞こえてくるのでしょうね。
さて、今日は地方創生に向けて政府が中山間地域の過疎化を、どのように食い止めようとしているのか、について書いてみます。(こちらの記事参照)
中山間地域とは?
農林水産省のサイトを見てみると、中山間地域について次のような説明があります。
中山間地域とは、平野の外縁部から山間地を指します。
山地の多い日本では、このような中山間地域が国土面積の約7割を占めています。
この中山間地域における農業は、全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割を占めるなど、我が国農業の中で重要な位置を占めています。
そして、この地域は河川の上流にあたり、水源涵養、洪水の防止、土壌の浸食や崩壊の防止などの多面的機能を農業・農村が持っていて、下流域の豊かな暮らしを守っているのです。
陸地だけでなく海の資源にも重要な役割が
最近は広く知られるようになってきましたが、山の豊かさが川を通じて、海に恩恵をもたらしています。
具体的には、山の樹木から落ちた葉や、森の土壌に含まれる多くのミネラルをはじめとする様々な物質が、雨水や地下水に溶け込み、河川を通じて海洋に運ばれます。
その結果、植物性プランクトンを大発生させて、それが貝類や動物性プランクトンの餌となり、やがて小型魚、大型魚と食物連鎖が進んでいくのです。
「海を豊かにしているのは山の森」と言われる所以です。
守らなければならない中山間地域
こうした重要な機能を果たしている中山間地域の過疎化をこのまま放置すると、自然環境のサイクルにも影響が出てしまいます。
都市部に住んでいる私たちも、こうした自然の恩恵を受けているわけですから、決して無関係ではありません。
このため、過疎化が進む中山間地域などで、住民が暮らし続けることができるよう生活環境を改善するため、政府が取り組もうとしているのが「小さな拠点」作りです。
「小さな拠点」とは、診療所や保育所、商店といった医療や福祉、買い物に関する施設を集約す拠点で、全国千か所に設置することを目標に掲げているそうです。
その目標に向けて、石破地方創生担当大臣のもとに新たに有識者会議を設置することが決まりました。
有識者会議は近く初会合を開き、拠点を整備するうえでの課題や必要な法整備、それに地元自治体との協力の在り方などについて検討を始めることにしているとか。
この「小さな拠点」作りが、どの程度の効果を生むのか未知数ですが、行政の力だけでは無理なことは明白です。
過疎化が進む地域に参入する民間企業をどれだけ確保できるか、施設維持のために国や自治体がどの程度支えられるのか、課題は多いと思います。
それでもこの取り組みによって、過疎化防止の実効性があがることを期待したいですね。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.3.1記)