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“地方創生加速化交付金” 申請に見る地方自治体の凹凸

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さて、平成27年度補正予算に「地方創生加速化交付金」が盛り込まれたことはご存知でしょうか。

対象は都道府県と市町村、1自治体当り最大8千万円、合計1,000億円、100%国庫負担の交付金になります。

「地方総合戦略」の策定

現在、各地方自治体は、2015年度中 (今月末まで) に地方人口ビジョンおよび地方版総合戦略を策定するため、急ピッチで作業を進めています。

この策定作業については、既存の総合計画との調整や人材・ノウハウの確保、重要業績評価指標 (KPI) の設定、PDCAサイクルの導入、効果検証等が求められ、民間シンクタンクへの丸投げや地域間格差の拡大も懸念されているようです。

「地方創生加速化交付金」の申請状況

平成27年度補正予算が確定したのが2015年暮れ近く、「地方創生加速化交付金」に関する説明会が開かれたのが2016年1月中旬、それから1ヶ月で正式申請するというスケジュールで進められました。

交付金が支援対象としたのは次の4つです。

  1. 「しごと創生」・・・ITを活用した中堅・中小企業の生産性向上や新事業促進、農林水産品の輸出拡大、観光振興、対日投資促進 等
  2. 「地方への人の流れ」・・・生涯活躍のまち、地方創生人材の確保・育成 等
  3. 「働き方改革」・・・若者雇用対策、ワーク・ライフ・バランスの実現 等
  4. 「まちづくり」・・・コンパクトシティ、小さな拠点、まちの賑わいの創出、連携中枢都市 等

申請には客観的データや実績評価に基づく事業設計が求められ、「先駆性」も不可欠とされました。

内閣府によると、全国の9割以上の自治体が創意工夫をこらして交付金を申請したとのことです。

準備不足で申請できなかった自治体も

ということは、1割近くの自治体が申請できなかったことになります。

その理由は、以下のようなものだったそうです。

  • 予算編成や議会対応に多忙な時期で人手が足りず、国の想定に沿うことができなかった
  • 今回の交付金は「先駆性」が求められるなど条件が細かく、短い期間では該当する事業が見つからなかった

一方で、内閣府地方創生推進室の担当者は次のように述べたそうです。

「こちらもできるだけの期間をとったつもりだが、条件は全国一律。そもそも補正予算は短期間でやるもの。交付金の仕組みが昨年末に閣議決定される前から、国の動きを見越して準備していた自治体もあった。」

スピード感が求められる地方自治体

地方人口ビジョンおよび地方版総合戦略の策定及びその実行、国からの補助金や交付金の有効活用などには、迅速な対応が求められています。

これまでどれだけの準備ができていたか、それが各自治体のスピード感の違いに表れているのです。

内閣府に「まち・ひと・しごと創生本部」が置かれ、関連法令が整備されたのが2014年秋。それから地方創生に向けて、さまざまな作業が加速していきました。

各地方自治体においても、そうした中央の取り組みに迅速に対応し、さまざまな準備を進めることは当然のことのように思われます。

そうした準備をしていれば、補正予算が組まれてすぐに、1ヶ月で事業計画を出せと言われても「時間が足りない、人手が足りない」などという言い訳は出てこないはずです。

待ってました!とばかりに、どこよりも先んじて申請を行うくらいの対応がされても不思議ではありません。事実そうした自治体もあったようです。

今後の「地方創生」が成功するかどうかの鍵の一つは、こうした地方自治体の対応の巧拙であることは間違いないでしょう。

巧遅は拙速に如かず」という言葉もありますしね。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
 
 
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(2016.3.5記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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人生のセカンドステージを、ポジティブ&アクティブに過ごすことを目指して、アラカン(アカウンド還暦)世代の筆者が思いを綴るブログ。
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