さて、昨日 (2016.4.17) 日曜日の朝、NHKの「日曜討論」という番組で、「人口減少時代 “地方創生”の道筋は」というテーマが取り上げられていました。
そこで、今日は事例として取り上げられていた島根県浜田市の取り組みについて確認してみます。
島根県浜田市とは
島根県浜田市といっても、どこにあるのかほとんどの人がピンとこないでしょうね。(地図クリックで拡大)
面積は 690.66㎢ です。同市のサイトによると、人口は 56,159人、世帯数は 26,628世帯となっています。(2016.3末現在)
同市の久保田 章市 市長は、1951年 (昭和26年) 生まれの65歳、地元の浜田高校卒業後、東京大学を経て金融機関を経験、浜田市にUターンし、2013年に市長に就任されています。
昨日のNHK「日曜討論」にも出演し、熱弁を振るっておられました。
シングルマザーの移住支援
久保田市長は言います。「地方にも仕事はある。行政で移住支援の仕組みを作り、移住希望者の背中を押して差し上げたい。」
そして、昨年 (2015年度) 、市外のひとり親家庭を対象に、市内の介護施設で親が働くことを条件に支援する事業 (シングルペアレント受け入れ事業) を始めたのです。
浜田市では、他の地方同様、人口減少と高齢化が進んでおり同事業は、ひとり親家庭を手厚く支援することで定住を促し、介護人材の確保にも結びつけるのが狙いです。
具体的には、年内に引っ越して施設で研修を受け、就労するなどの要件を満たすひとり親家庭に対し、1年間、養育費や家賃などを補助するというものです。
補助内容は、次の表の通りです。(こちらの記事から引用)
年間トータルで、400万円を超える金額となっています。介護の仕事で、月額給与が15万円というのは、都会の感覚では低いという印象があるようですが…
中古車が無償提供されるので、当面生活の足には困りませんね。
久保田 市長は、番組で言っています。「保育園、学校、職場、お店など、何処に行くにも車で15分以内で移動できるので、子育てしやすく、暮らしやすい街。子どもと触れ合える時間の長さは、都会で働くお母さんの比ではない。」
自然に恵まれた環境で子育てできることもあって、北海道から沖縄まで30都道府県から約150件の問い合わせがあったそうです。そして、施設見学会などを経て、まず6人が移住を決めたとか。
最後に
番組では、地方には雇用がない、という一般的な認識は間違っている、という指摘が多く聞かれました。
農業・林業をはじめ、どこでも高齢化による介護施設の求人は多いと言います。
島根県福祉人材センターによれば、2014年度の県の求人倍率は1.77倍。県内では松江市のある東部 (都市部) に比べて浜田市のある西部はより人手が不足しているとのことです。
移住に伴う各種支援、そして事業者負担で介護職員初任者研修を受講できるなどの施策もあって、やる気のあるシングルマザーであれば十分検討する価値はありそうです。
ここにも地方自治体が知恵を絞っている例がありました。
他にも、シングルマザーや子育て中の親の移住を支援する動きが、新潟県や島根県邑南町で進んでいます。(こちらの記事参照)
こうした事例が増えて、母子家庭の貧困化の問題解決、東京一極集中の是正・地方創生に役立つことが期待されます。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.4.18記)