さて、熊本地方を中心とした九州地方の被害者の方々に対する、一日も早い住宅対策が求められています。
今日は、今回熊本市を襲った地震対策に陣頭指揮を執る大西熊本市長が、Twitterを有効活用して市民と良好な関係を築き、相互に情報交換していることについて書いてみます。
以前から大西熊本市長はTwitterで発信していた
地震の前から大西市長は、Twitterを積極的に使っていました。(大西市長のTwitter)
ドラムの演奏が趣味の大西市長は、毎朝「目覚めの曲」をツイートしていて、昨年秋頃から「音楽好きな市長」として話題になり、この時点で2万近いフォロワーを獲得していました。
大西市長は、日常的に音楽の趣味や行政の情報を織り交ぜて発信し、フォロワーの数を増やしていきます。
Twitterは何か起きた時にやればいいというものではありません。これまでに獲得したフォロワー数の多さが、今回の地震対策情報をより速く拡散させる下地になったのです。
フォロワーの数は、22日朝の時点で約5万8千、24日昼の時点で約6万2千とまだまだ増えています。
地震発生直後から市長自ら情報をツイート
大西市長は、熊本県益城町で震度7の地震が発生して以降、ライフラインに関する情報などを連日ツイートしています。
21日は、ボランティアの募集や断水の復旧情報などを投稿しています。ユーザーからは情報への感謝や市長の体調を気遣う声、市への要望や疑問など様々なコメントが寄せられています。
テレビ局のインタビューに答えて、大西市長はこう話していました。
「市役所の広報課が、発信文を書いて、何人かの決裁印を貰ってから発信するのでは遅い。なら、自分が直接ツイートしてしまおうと考えた。」
熊本市民は、同じくインタビューに答えています。
ある若い女性は、「はい、当然フォローしています。具体的な情報をタイムリーに発信して下さるので、とても役に立っています。」と話していました。
市長自ら市民に情報提供を呼びかけ
また、市内の道路で漏水している箇所を特定するため、大西市長はTwitterで呼びかけます。「どこで漏水しているか、写真付きでここにコメントして!」
市民からは続々と、情報が寄せられます。
大西市長は、水道局に指示したそうです。「僕の投稿に対するコメント欄を見て復旧作業を進めろ。」
テレビ局のインタビューには、「こういう情報は人海戦術が有効です。市の職員だけでは到底人手が足りません。」と大西市長は答えていました。
行政が言いにくいことも発信
市役所に支援に関する電話が集中し、市職員の身動きが取れないことを伝えたツイートは約3万8千もリツイートされました。
「市役所に電話しないで欲しい」とは、なかなか行政として言いにくいですよね。
そういうことも大西市長は伝えており、しかもそれがフォロワーに受け入れられているのです。
最後に
今回の地震でも、Twitterの有効性が証明されました。
それに何より、行政の長がみずからTwitterを使いこなし、普段から情報発信をしていたこと、ベースとなるフォロワーとTwitterを通じて信頼関係を築いてきたことが大きいと思います。
もちろん市長のリーダーシップが発揮されたことが、何より大きなことだったと思います。
また、市の情報を全て投稿するのではなく、市のサイトのリンクを貼るなど、投稿内容にメリハリがついていることも見逃せません。
大西市長の使いこなし方は、今後の首長のTwitter活用の在り方を示しているでしょう。他の地域の首長さんも大いに参考にして欲しいと思います。
最後になりましたが、Twitterとは別に今回は通信キャリアが途切れない音声回線を提供できたことは特筆に値すると思います。
東日本大震災当時のような、公衆電話に長蛇の列ができる、というシーンはまだ見ていません。
社会的インフラ事業として、立派に社会的使命を果たしていると言えます。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.4.24記)