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さて、先日決定した「第1回 日本サービス大賞」の内、「地方創生大臣賞」計8件の内、注目した3つの事例について、これまで具体的にご紹介してきました。(事例①、事例②、事例③)
今日は、4つ目の事例です。
受賞サービスは、家づくりを物語に「工房信州の家」
事業者は、株式会社フォレストコーポレーション(長野県)となっています。
選考理由は、次の通りです。
自ら木を選び、伐採し、家族総出での壁塗装や装飾品制作など、顧客(施主)が家づくりに関与する体験や感動が、木や家への愛着を増幅させているサービス。家づくりの前工程から、完成、完成後のアフターケアまで、サービス全体を通じて家族の物語と感動を創出している。放置された森林の整備を促進し、国産材木の活用、地元の山守や製材店・加工職人などの雇用の促進など、長野県の林業活性化にも寄与している。
「工房信州の家」では、信州の木にこだわり、さらに「あなたが選ぶ山の木で家づくり」という取り組みをしています。
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この取り組みにより、施主が一本の立木が住宅になるまでの過程をともに経験することで、単なる家づくり以上の感動を生み、家への愛着を育てることに繋がるとしています。
家づくりを物語にする「ひとてま工房」
そして、家族みんなで家づくりに “ひとてま” をかける「ひとてま工房」というメニューが用意されています。メニューは次のようなものです。(詳しくはこちらのページ参照)
- 家族で楽しむ珪藻土塗り体験
- オリジナルステンドグラス作り
- 無垢の木でエアパス引き子作り
- 灯りのデザインと吹きガラス体験
- 手びねり陶芸体験
- オリジナルデザインのタイル貼り
- ウッドデッキづくり
- 飾り変える表札
- 建具を黒板に!!
- 垂木にサイン
- 伐採した庭の木も再利用
- 建替え前の自宅で背比べをした思い出の柱を新居に再利用
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最後に
国産の木は、反りや割れが生じるなどで段々敬遠され、安価で大量に入手できる輸入材に取って代わられ、また大量生産に適した均一な材料として集成材が普及しました。
確かに反りや割れは無くなりましたが、木も生きた木ではなくなりました。そして集成材に使用する接着剤から、シックハウスの問題が出てきました。
そうした中、信州では戦後植林された豊富な木材が、今まさに建築用材として利用可能な適齢期を迎えているそうです。
「工房信州の家」では、信州の木にこだわり、自分の家を建てる時に使う木を、伐採する時に施主が選ぶことからかかわるなど、家の完成までさまざまな「ひとてま」をかけ続ける仕組みを用意しています。
家族自らの手で、家づくりに “ひとてま” をかけることで、オリジナリティは増し、愛着はより深まり、家づくりが家族の物語へと育まれることになります。
こうした家づくりが行えるのは、一部の施主さんかもしれませんが、画一的な注文住宅に比べたら、どんなに素敵な家になることでしょう。
自分もこんな家づくりができたら、と思わず溜息が出てしまいます。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.6.21記)